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活動報告

2013/12/07

日本臨床死生学会(2013年12月7日)にて藤山研究員発表

2013年12月7日・8日に「高度に進歩した生命科学時代のいのちを考える-望ましい生と死をめざして-」というタイトルで第19回日本臨床死生学会大会(於:政策研究大学院大学)が開催されました。12月7日(土)15時30分から開催されるシンポジウム「進歩した生命科学は、子どものいのちをどのように守りえるか」において、パネリストの1人として、藤山研究員が「出生前診断の現状」というタイトルで発表しました。11月末に発表された新型出生前診断の結果を報告し、「進歩した生命科学時代のいのちを守るため」にという視点から、法規制と生命倫理について発表しました。
 同シンポジウムのパネラーは、大阪発達総合療育センター フェニックス園長(元淀川キリスト教病院副院長)で小児科医の 船戸正久氏、 横浜カメリアホスピタルの児童精神科医・清水誠氏、岩手医科大学神経精神科学講座/いわてこどもケアセンターの精神科医・八木淳子氏でした。
船戸正久氏は「新生児集中治療室より-子どものトータルケアをどのように大切に多職種で支えるか-」というタイトルで、トータルケアの大切さを訴えました。船戸氏は、新生児に対する延命治療をどこまで行うかといった淀川キリスト教病院における倫理基準設定にも携わった方です。
清水氏は、「発達障害への気づきは子たちの生活を豊かにしたのか」とのタイトルで発表。「発達障害というカテゴリーが出来るとその患者が増え、さらに、医療が『正常な子ども』の範囲を狭めている」という内容には、障害児を排除しようという新型出生前診断の根底に横たわる「少数者排除の思想」が共通しているように思われました。
八木氏は、被災地のこどものケアについて語るなかで、以前は、その子どものことをよく知る地域の人々が巧まずケアをしていたのが、被災によって断絶され問題が生じていると指摘。、さらに、大人が子どもに「死」をきちんと語らなかったために、子どもたちに問題が生じていることも報告。
子どもに、いかに「死」を語るかについては、宗教界でも取り組んでよい課題ではないかと思われました。いずれのパネラーも、進歩した生命科学に対する懐疑的な立場であったのが印象的でした。

詳細は下記サイトをご覧ください。
第19回日本臨床死生学会大会