CIR・DB ニュースレポート 2026年4月 新宗教
2026/07/20
- レポートタイトル
- CIR・DB ニュースレポート 2026年4月 新宗教
- 執筆者
- 道蔦汐里
宗教情報データベースにて、期間を2026年4月1日~2026年4月30日と設定し、「類義語を含む」「日本の新宗教」にチェックを入れて検索したところ225件の記事が抽出された。前月の2026年3月は423件であったことから、記事件数は半減近く減少した。〈2026年7月10日現在〉
◆ 2026年4月の出来事
全体の記事件数は先月までと比較して減少したものの、依然として世界平和統一家庭連合(通称・統一教会)に関する記事が多くあり、「統一教会」という言葉を含む記事件数は225件のうち75件にのぼった(類語を含む)。具体的には、2日ごろから、統一教会が宗教活動を継続するための新団体を設立するという記事(読売・東京4/3ほか)、加えて8日には、新団体名が「FFWPU」となることが関係者への取材で明らかになったという記事(産経・東京4/8ほか)がみられた。また、解散命令に伴う清算手続きに関して、清算人が22日までに教団の預貯金を少なくとも400億円確保したことが判明したとする記事(日経・東京4/23ほか)、教団の「2世」当事者らが23日に「統一教会2世清算連絡会」を設立したと報じた記事(赤旗4/24ほか)もみられた。
このほか、宗教団体をめぐる訴訟や事件に関する報道が相次いでみられた。
ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)に関する記事が複数の新聞で掲載された[→◆ 記事のピックアップとコメント参照]。安倍晋三元首相銃撃事件を受けて厚生労働省が作成した「宗教2世」への虐待に対する指針が、信教の自由を侵害し違憲だなどとして、エホバの証人の日本支部と信者20人が国に対し損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが11日に判明したと報じられた(北海道・札幌4/12ほか)。厚生省は2022年12月に、Q&A形式の指針を発表していたが、この違憲性を争う訴訟は初とみられるという。これに対し「宗教2世」当事者団体の3団体(一般社団法人スノードロップ、宗教2世問題ネットワーク、JW児童虐待被害アーカイブ)は14日、訴訟を批判する声明を発表している(仏教タイムス4/23)。
オウム真理教元代表の麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の妻と次男への公安調査庁の立ち入り検査は違法だったとして、次男が国を相手取り、東京地裁に提訴していたことが4日に判明したと報じる記事もあった(信濃毎日・長野4/5ほか)。次男が提出した陳述書では、後継団体・Aleph(アレフ)への所属を否定していることも合わせて判明したという。
他にも、平和寺本山(静岡県伊豆市)の敷地内に投棄された廃棄物混じりの土砂が市有地などに流出していた問題で、伊豆中央署などが8日、平和寺本山の代表役員と住職の両容疑者を逮捕したとする報道もあった(静岡・静岡4/9ほか)。翌9日には宗教法人自体も静岡地検沼津支部に書類送致されており、法人としての責任も問われることになるという(静岡・静岡4/10)。
また、各教団が重要な祭典・イベントを行ったという記事もみられた(3月末までに行われた出来事で4月に報じられた記事も含む)。真如苑が3月28日に開祖・伊藤真乗教主の「大還暦」を祝う法要「真如教主お誕生120年大祭」を営んだ記事(仏教タイムス4/9ほか)や、大本が3月31日に教団初の神社となる「綾機(あやはた)神社」の地鎮祭を営んだ記事(中外日報4/3ほか)、念法眞教が3月31日に総本山金剛寺(大阪市)で立教開宗100周年を記念した百年大祭の結願法要と記念式典を営んだ記事(仏教タイムス4/16ほか)、孝道教団が1~8日、立正佼成会が8日に花まつりを開催した記事(中外日報4/8、4/10ほか)なども報じられた。また、信仰を前提としたマッチングアプリサービスとして、創価学会限定のアプリ「創価カップル」を取り上げた記事もみられた(朝日・東京4/7)。
このほか、宗教団体をめぐる訴訟や事件に関する報道が相次いでみられた。
ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)に関する記事が複数の新聞で掲載された[→◆ 記事のピックアップとコメント参照]。安倍晋三元首相銃撃事件を受けて厚生労働省が作成した「宗教2世」への虐待に対する指針が、信教の自由を侵害し違憲だなどとして、エホバの証人の日本支部と信者20人が国に対し損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが11日に判明したと報じられた(北海道・札幌4/12ほか)。厚生省は2022年12月に、Q&A形式の指針を発表していたが、この違憲性を争う訴訟は初とみられるという。これに対し「宗教2世」当事者団体の3団体(一般社団法人スノードロップ、宗教2世問題ネットワーク、JW児童虐待被害アーカイブ)は14日、訴訟を批判する声明を発表している(仏教タイムス4/23)。
オウム真理教元代表の麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の妻と次男への公安調査庁の立ち入り検査は違法だったとして、次男が国を相手取り、東京地裁に提訴していたことが4日に判明したと報じる記事もあった(信濃毎日・長野4/5ほか)。次男が提出した陳述書では、後継団体・Aleph(アレフ)への所属を否定していることも合わせて判明したという。
他にも、平和寺本山(静岡県伊豆市)の敷地内に投棄された廃棄物混じりの土砂が市有地などに流出していた問題で、伊豆中央署などが8日、平和寺本山の代表役員と住職の両容疑者を逮捕したとする報道もあった(静岡・静岡4/9ほか)。翌9日には宗教法人自体も静岡地検沼津支部に書類送致されており、法人としての責任も問われることになるという(静岡・静岡4/10)。
また、各教団が重要な祭典・イベントを行ったという記事もみられた(3月末までに行われた出来事で4月に報じられた記事も含む)。真如苑が3月28日に開祖・伊藤真乗教主の「大還暦」を祝う法要「真如教主お誕生120年大祭」を営んだ記事(仏教タイムス4/9ほか)や、大本が3月31日に教団初の神社となる「綾機(あやはた)神社」の地鎮祭を営んだ記事(中外日報4/3ほか)、念法眞教が3月31日に総本山金剛寺(大阪市)で立教開宗100周年を記念した百年大祭の結願法要と記念式典を営んだ記事(仏教タイムス4/16ほか)、孝道教団が1~8日、立正佼成会が8日に花まつりを開催した記事(中外日報4/8、4/10ほか)なども報じられた。また、信仰を前提としたマッチングアプリサービスとして、創価学会限定のアプリ「創価カップル」を取り上げた記事もみられた(朝日・東京4/7)。
◆ 記事のピックアップとコメント
✓「「エホバ」信者ら 国提訴 宗教虐待への指針「違憲」」
[北海道・札幌4/12(河北新報・仙台4/12、東京・東京4/12ほか)]
✓「宗教2世の3団体が声明 エホバの証人による国への訴訟を批判」
[仏教タイムス4/23]
2022年12月に厚生労働省が作成し、各都道府県に通知した「宗教2世」への虐待に関する指針「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」は、信教の自由を侵害し違憲だなどとして、エホバの証人日本支部と信者20人が国に対し、指針の無効確認や1人200万円の損害賠償などを求める訴訟を2025年3月に東京地裁に起こしていたことが、4月11日に判明した。指針は2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を受けて、Q&A形式で作成されたもの。背景に宗教の信仰があったとしても、児童虐待に当たる行為があれば児童相談所が一時的に保護することなどを求め、宗教活動中の鞭打ちは身体的虐待、医師が必要と判断した輸血の拒否はネグレクト(育児放棄)などと例示していた。教団側は訴状で、指針は独立した専門家や一般からの意見を求めずに作成されており、透明性に欠けると主張。親の宗教活動を潜在的な児童虐待と「レッテル貼り」した上、指針を基にした冊子が各地の小中学校で配布され、信者らが差別被害に遭っているとして、違憲だと訴えた。この指針の違憲性を争う訴訟は初とみられる。
この訴訟をめぐっては14日、「宗教2世」当事者団体の3団体(一般社団法人スノードロップ、宗教2世問題ネットワーク、JW児童虐待被害アーカイブ)が批判する声明を発表した。声明では、国が示した指針は、背景に宗教の信仰があったとしても、鞭打ちや輸血拒否などが児童虐待防止法上の児童虐待に該当するため許されないとする法治国家としての基準を整理したものであると定義。訴訟は、信者への周知を怠るだけでなく、指針そのものを無効化しようとする試みで、「極めて反社会的な姿勢と言わざるをえません」と批判している。
☞ 安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、統一教会を中心として「宗教2世」問題への関心が高まった。その後、統一教会以外の宗教団体についても、宗教2世をめぐる議論や検証が進み、その一つとしてエホバの証人が注目されるようになった。この指針をめぐっては、厚生省は2023年3月31日、教団の関係者らと面会し、輸血拒否や鞭打ちといった児童虐待を教団として容認していないと信者に対し周知するよう要請したことを公表した(読売・東京2023/4/1ほか)。しかしその後、教団がこうした周知を実施していなかったことが2023年12月19日に報じられた。その際、教団側は「周知は政府・行政機関の役割であり、宗教組織として行うことではない」などと回答していたとされる(読売・東京2023/12/19)。今回報じられた訴訟は、この指針をめぐって続いてきた国と教団側との対立が、司法の場へと移行したものと位置づけられる。
[北海道・札幌4/12(河北新報・仙台4/12、東京・東京4/12ほか)]
✓「宗教2世の3団体が声明 エホバの証人による国への訴訟を批判」
[仏教タイムス4/23]
2022年12月に厚生労働省が作成し、各都道府県に通知した「宗教2世」への虐待に関する指針「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」は、信教の自由を侵害し違憲だなどとして、エホバの証人日本支部と信者20人が国に対し、指針の無効確認や1人200万円の損害賠償などを求める訴訟を2025年3月に東京地裁に起こしていたことが、4月11日に判明した。指針は2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を受けて、Q&A形式で作成されたもの。背景に宗教の信仰があったとしても、児童虐待に当たる行為があれば児童相談所が一時的に保護することなどを求め、宗教活動中の鞭打ちは身体的虐待、医師が必要と判断した輸血の拒否はネグレクト(育児放棄)などと例示していた。教団側は訴状で、指針は独立した専門家や一般からの意見を求めずに作成されており、透明性に欠けると主張。親の宗教活動を潜在的な児童虐待と「レッテル貼り」した上、指針を基にした冊子が各地の小中学校で配布され、信者らが差別被害に遭っているとして、違憲だと訴えた。この指針の違憲性を争う訴訟は初とみられる。
この訴訟をめぐっては14日、「宗教2世」当事者団体の3団体(一般社団法人スノードロップ、宗教2世問題ネットワーク、JW児童虐待被害アーカイブ)が批判する声明を発表した。声明では、国が示した指針は、背景に宗教の信仰があったとしても、鞭打ちや輸血拒否などが児童虐待防止法上の児童虐待に該当するため許されないとする法治国家としての基準を整理したものであると定義。訴訟は、信者への周知を怠るだけでなく、指針そのものを無効化しようとする試みで、「極めて反社会的な姿勢と言わざるをえません」と批判している。
☞ 安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、統一教会を中心として「宗教2世」問題への関心が高まった。その後、統一教会以外の宗教団体についても、宗教2世をめぐる議論や検証が進み、その一つとしてエホバの証人が注目されるようになった。この指針をめぐっては、厚生省は2023年3月31日、教団の関係者らと面会し、輸血拒否や鞭打ちといった児童虐待を教団として容認していないと信者に対し周知するよう要請したことを公表した(読売・東京2023/4/1ほか)。しかしその後、教団がこうした周知を実施していなかったことが2023年12月19日に報じられた。その際、教団側は「周知は政府・行政機関の役割であり、宗教組織として行うことではない」などと回答していたとされる(読売・東京2023/12/19)。今回報じられた訴訟は、この指針をめぐって続いてきた国と教団側との対立が、司法の場へと移行したものと位置づけられる。
◆ +α 用語ミニ解説
エホバの証人:1870年代にアメリカ・ペンシルベニア州でチャールズ・T・ラッセルを中心に始まったキリスト教系の宗教団体。世界本部は米国ニューヨーク州ウォーウィックに置かれ、約240の国と地域で920万人以上が活動している。日本では、在米中に信者となった明石順三が1927年に「灯台社」を設立して布教を開始したが、戦後に世界本部との対立から除名された。その後、新たな宣教者が来日して活動が再建され、1953年には宗教法人「ものみの塔聖書冊子協会」として認証を受けた。国内の信者数は約21万人とされる。本部は神奈川県海老名市にある。
教義上、他者の血液による輸血を受けないことや兵役を拒否することなどで広く知られる。また、「宗教2世」問題をめぐる議論では、輸血拒否のほか、子どもへの体罰や信仰実践をめぐる問題が指摘されてきた。なお2026年3月20日には、従来認めていなかった貯血式自己血輸血について、信者個人の判断に委ねる方針へと変更することが発表された(東京・東京4/12)。ただし、他者の血液による輸血は禁止が維持されている。
バックナンバー ⇒ 2026年3月_新宗教(CIR・DB ニュースレポート)
教義上、他者の血液による輸血を受けないことや兵役を拒否することなどで広く知られる。また、「宗教2世」問題をめぐる議論では、輸血拒否のほか、子どもへの体罰や信仰実践をめぐる問題が指摘されてきた。なお2026年3月20日には、従来認めていなかった貯血式自己血輸血について、信者個人の判断に委ねる方針へと変更することが発表された(東京・東京4/12)。ただし、他者の血液による輸血は禁止が維持されている。
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