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活動報告

2016/08/10

学会参加・報告  2016年「宗教と社会」学会 第24回学術大会

【「宗教と社会」学会第24回学術大会(於 上越教育大学) 】 
 
 2016年6月11日・12日、新潟県の上越教育大学で「宗教と社会」学会第24回学術学会が開かれました。会員・非会員を含め100名余が参加し、報告や議論をしつつ学術的交流と懇親の機会を持ちました。
 
 大会プログラムと報告要旨は、ウェブ上で閲覧・ダウンロードできるようになっています。URLは、http://jasrs2016.blogspot.jpです。ITの発達で、発表・参加のエントリーや報告抄録集発行などをウェブ上でオープンに行なう学術学会が増えてきました。これは、紙の節約になるという利点だけでなく、専門知を広く社会へと開く仕組みとしても、大いに意義のある動きです。事前に報告要旨を目にすることで、報告者の話す内容を的確に理解することができ、質疑応答の質も深まるからです。
 
大会では、18の個人発表、3つのテーマセッションが行なわれました。個人発表のテーマとして例えば、内村鑑三論、チャプレンと教誨師、震災復興と宗教文化、韓国の墓相、韓国の巫俗、インドのヒンズー教の現在、科学と呪術・宗教、山岳信仰と観光、タイのプロテスタント・キリスト教、モンゴルの福音派・キリスト教などがあり、扱う地域も内容も多岐に渡っています。3つのセッションのテーマは、「日本海側の宗教を研究し学ぶこと」(葛西研究員が主催)、「近代日本社会における神道と国体論―宗教とナショナリズムをめぐる一断面―」、「物語を読む、宗教を読む―宗教/文学研究の架橋のために ―」でした。
 
テーマセッションはどれも興味深いものでしたが、2日目に開かれた「物語を読む、宗教を読む―宗教/文学研究の架橋のために―」は、特に注目のセッションでした。その理由は、宗教研究と文学研究を架橋するという意欲的な目的のもと、多様な興味深い研究成果が提示されていたからです。8月7日には日本女子大学でこのセッションのフォローアップ企画・シンポジウムも開かれ(https://note.mu/mittsko/n/nfa3ed6a620d2)、さらに活発な議論が行なわれました。
 これらテーマセッションの概略および一部の個人発表は、来年6月に刊行される『宗教と社会』誌においてお読みいただくことができます。
                                     宗教情報センター研究員 佐藤壮広