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2012/06/04

葛西研究員他編『仏教心理学キーワード事典』春秋社、刊行されました

 『仏教心理学キーワード事典』(春秋社)が、刊行されました。葛西賢太研究員(宗教情報センター)と、井上ウィマラ先生(高野山大学)、加藤博己先生(駒沢大学)との共編です。
 仏教は、祖師を信じ仰ぎ、その言行に憧れつつ自らに取り入れるという「信仰」面とともに、自己認識の技術と理論と倫理という面を強くもっております。原始 仏教は、揺れ動く現実に対してゆくこころのあり方を省察することに多くを注ぎますし、大乗の如来蔵・仏性などの思想は、ありとあらゆる生き物のこころの仏 教的ポテンシャルを強調するものです。また、唯識は記憶や意識や価値観を生みだすメカニズムを探究します。仏教は、心理学でもあります。
 
 仏教と心理学――両者が深いところでつながっていると感じ、興味を持つ人はたくさんいましたが、両者に通じる地図はこれまでありませんでした。それは、両者がそれぞれ広大な沃野であるため、また、両者の方法論や世界観に、異なる部分も大きいためです。それでも、両者の間に橋を架ける努力が、多くの人によって、人知れず重ねられてきました。本書は、これらの橋をすこしでもみえるようにし、両者の往来を促進する地図を意図して、つくられました。
 日本仏教心理学会の推薦もいただいた本書、お手にとってご覧頂けましたら幸いです。


【書評/紹介】
『毎日新聞』2012年6月3日(日)朝刊10面に掲載されました。
コンパクトに本書の特徴がまとめられています。

宗教専門紙『中外日報』2012年5月29日刊に、『仏教心理学キーワード事典』のレビューが掲載されました。