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2011/05/26

新井・岩谷・葛西編『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』せりか書房、6月10日に刊行。

 携帯電話で映像を観るどころか、撮ったり、編集したりさえもできる時代に、私たちはいます。撮影者にちょっとした心得があれば、家庭用のビデオカメラで祭礼や伝統行事を撮った映像も、テレビでの放送に十分耐えるものになります。このことは、宗教をめぐる映像の活用にも、新しい可能性を開きます。
 新井一寛氏を中心として京都大学で行われた研究会は、単なる鑑賞や記録を超えて、映像を【編集】する観点から、宗教を研究するさまざまなアプローチを問い直すものでした。結果的に、プロパガンダ映像にみるイスラーム過激派の戦略と苦悩、癒しの聖地ルルドの意外な顔、神秘体験を無から創造する映像、肉感的な映像の引力、映像的体験と宗教的体験のシンクロ、等々、さまざまな対象について、映像を聖性顕現の場とさえ転じさせる魅惑的な実践の探究が、一冊に集まりました。
 フィルムからデジタルへの移行によって、技術的にも社会的にも大きな過渡期におかれる映像は、現在どのようなところにいて、今後どのようなものたりうるか。多様な『映像実践コラム』と、専門家の寄稿によって、重要な啓発をなすものにもなっています。

 新井一寛・岩谷彩子・葛西賢太編『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』は、せりか書房より、6月10日に刊行されます。価格は2800円(税込2940円)。どうぞお手にとってご覧下さい。

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目次
序章 映像と宗教
第一部 宗教とメディアの現在=中東イスラーム主義運動の映像戦略/東南アジアにおけるイスラーム主義武装闘争派の映像戦略/<証し>と<開示>/リアリティ、真正性、リテラシー/映像実践1 信仰を撮る/映像を超えて/映像実践2 映像から考える
第二部 映像の宗教性=霊の増殖とメディア/映像の肉感学/映像技法から見る宗教性/映像に「ふれる」こと/映像実践3 映像を活かす/世界・日本の映像アーカイブ事情/映像人類学の理論と実践、その新たな展開の現在/対談 映像表現の最前線と宗教体験

せりか書房: http://www.serica.co.jp/