研究員レポート
2026/09/20
CIR・DB ニュースレポート 2026年6月 新宗教 |
宗教情報 |
道蔦汐里
宗教情報データベースにて、期間を2026年6月1日~2026年6月30日と設定し、「類義語を含む」「日本の新宗教」にチェックを入れて検索したところ161件の記事が抽出された。前月の2026年5月は163件であったことから、ほぼ横ばいとなった。〈2026年9月8日現在〉◆ 2026年6月の出来事
全体の記事件数は先月とほぼ横ばいで推移しており、激しい増減はみられなかったが、月末には世界平和統一家庭連合(通称・統一教会)に関するニュースが多くを占めた。統一教会の解散命令に関し、最高裁第3小法廷は22日付の決定で、教団の解散を命じた東京高裁決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却した。法令違反による解散命令の確定はオウム真理教と明覚寺に続き3例目で、民法上の不法行為が根拠となるのは初となった。教団側が翌23日、「清算手続きで信徒らは大変な負担を強いられている。あまりにも残念」とコメントを発表したことも報じられた(朝日・東京6/24ほか)。統一教会をめぐっては、被害者支援に取り組む「全国統一協会(教会)被害者家族の会」が10日までに、年内で活動を中止するとホームページで発表したことも報じられた。当初は発足から20年の2023年に解散予定だったが、2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で相談が急増したことを受けて活動を継続していた(東京・東京・夕6/12ほか)。このほか、統一教会や支援団体が公共施設の使用を不許可とされたことを不服として提出していた審査請求4件を、山口県下関市が2日に却下したと報じる記事(朝日・山口6/3)もあった。
ものみの塔聖書冊子協会(通称・エホバの証人)に関しては、先月の報道と同様、病院でのトラブルについて提訴する訴訟があったことも報じられた。1日、エホバの証人の信者であることを理由に熊本大病院に治療を拒否され精神的苦痛を受けたとして、同県内の6人が同大に計1,980万円の損害賠償などを求める訴訟を、3月20日付で熊本地裁に提訴していたことが判明した(熊本日日・熊本6/2ほか)。
その他については、各教団の祭典やイベント、社会活動等に関する記事も引き続きみられた。霊友会の創始者である久保角太郎の50回忌記念事業の一つとして1996年に開学し、今年創立30周年を迎えた国際仏教学大学院大学が、5月19日に記念祝賀会を開催したことが6月3日付で報じられた(中外日報6/3)。このほか、真如苑はフランス・パリで24日(現地時間)、アメリカ・ハワイで25日(現地時間)に灯籠流しを行ったことを報じる記事(中外日報6/5、6/12ほか)、神道扶桑教が、山梨県富士吉田市にある立教の地「冨士山元祠」で、冨士山開山御神火大祭と、約150年の歴史で初めてとなる元祠の復元修理工事の竣工奉告祭を3日に執行したことを報じる記事(中外日報6/12)[→◆ 記事のピックアップとコメント参照]、14日に孝道教団が開顕90周年記念大法要を厳修したことを報じる記事(中外日報6/19ほか)、16日に金光教教主に再任された6代教主・金光浩道氏の就任式が行われ、4千人が参拝したことを報じる記事(山陽・岡山6/16ほか)、大本の関連団体・愛善みずほ会が運営するアンテナショップ「DOMO」が今年で開設30年を迎えたことを報じる記事(中外日報6/17)などもみられた。
ものみの塔聖書冊子協会(通称・エホバの証人)に関しては、先月の報道と同様、病院でのトラブルについて提訴する訴訟があったことも報じられた。1日、エホバの証人の信者であることを理由に熊本大病院に治療を拒否され精神的苦痛を受けたとして、同県内の6人が同大に計1,980万円の損害賠償などを求める訴訟を、3月20日付で熊本地裁に提訴していたことが判明した(熊本日日・熊本6/2ほか)。
その他については、各教団の祭典やイベント、社会活動等に関する記事も引き続きみられた。霊友会の創始者である久保角太郎の50回忌記念事業の一つとして1996年に開学し、今年創立30周年を迎えた国際仏教学大学院大学が、5月19日に記念祝賀会を開催したことが6月3日付で報じられた(中外日報6/3)。このほか、真如苑はフランス・パリで24日(現地時間)、アメリカ・ハワイで25日(現地時間)に灯籠流しを行ったことを報じる記事(中外日報6/5、6/12ほか)、神道扶桑教が、山梨県富士吉田市にある立教の地「冨士山元祠」で、冨士山開山御神火大祭と、約150年の歴史で初めてとなる元祠の復元修理工事の竣工奉告祭を3日に執行したことを報じる記事(中外日報6/12)[→◆ 記事のピックアップとコメント参照]、14日に孝道教団が開顕90周年記念大法要を厳修したことを報じる記事(中外日報6/19ほか)、16日に金光教教主に再任された6代教主・金光浩道氏の就任式が行われ、4千人が参拝したことを報じる記事(山陽・岡山6/16ほか)、大本の関連団体・愛善みずほ会が運営するアンテナショップ「DOMO」が今年で開設30年を迎えたことを報じる記事(中外日報6/17)などもみられた。
◆ 記事のピックアップとコメント
✓「神道扶桑教・御神火大祭 冨士信仰の伝統 未来に 元祠竣工奉告祭も」[中外日報6/12(山梨日日6/3、6/4)]
6月3日、神道扶桑教は立教の地である「冨士山元祠」(山梨県富士吉田市)で、「冨士山開山御神火大祭」を斎行し、併せて元祠の復元修理工事の竣工奉告祭を行った。冨士山元祠は、北口本宮冨士浅間神社の参道入口の西側に位置する、土足で祈祷を受ける富士講の形態を残す神殿兼拝所。1876年に造営され、2021年に国の登録有形文化財となったことを契機に、老朽化した元祠の保存修理事業に着手し、2024年から復元工事が行われていた。大規模な修理は約150年の歴史で初めてという。内装の監修は三笠宮家の彬子さまが務めた。天井絵には、彬子さまが総裁を務め、子どもたちに日本文化の体験プログラムを提供している一般社団法人「心游舎」の活動に携わる子どもたちが、霊峰などをデザインした。
3日の祭典には、彬子さまのほか、扶桑教の関係者、県内外の富士講信者ら約300人が参集。白装束の富士講信者らが「六根清浄」などと唱えながら、ご神体「御神實」を元祠内陣に奉安した。大祭は、富士講の開祖・長谷川角行が富士山頂で神の教えを受けたとされる1572年6月3日にちなみ、例年この日に行われている。
☞ 教派神道[→◆+α 用語ミニ解説参照]の一つである神道扶桑教は、国学者であった宍野半が1873年に富士一山教会を結成し、1875年に扶桑教会と改称したことを発端とする。1882年には扶桑教として独立した。現在でも富士山八合目に富士山天拝宮・烏帽子岩神社を有しており、富士山への登拝を行っている。今回修復された冨士山元祠は、1876年に造営された立教の地にある施設で、教団の前身である富士一山教会時代のもので、山麓にある御料林の諏訪森の用材が使用されているという(中外日報2021/9/1)。歴史的な価値だけでなく、富士講の信者が土足のまま祈祷を受けるという特徴的な空間構成を残している点も、富士講の特徴を知るうえで重要であるといえる。
今回の修復には、歴史的建造物を修復して保存するだけでなく、富士山信仰や富士講に関わる文化を次世代へ継承する意義もある。特に、内装の天井絵の制作に子どもたちが関わったことは、こうした文化に子どもたちが触れる機会を設ける取り組みとしても注目される。なお、復元の様子については以下の動画を参照されたい。
「国登録有形文化財 冨士山元祠 保存修理事業完成記録(令和8年)」
https://youtu.be/9NNZrUUcLbs?si=WfZhm6Nk1c9yB0Os
◆ +α 用語ミニ解説
教派神道:明治政府による神道の制度化・教化政策のなかで神社神道とは区別されて形成され、神道事務局などから分派・独立していった神道系の宗教団体の総称。明治期には、出雲大社教・御嶽教・黒住教・金光教・實行教・神習教・神道大教・神道修成派・神道大成教・神理教・天理教・扶桑教・禊教の13教派が成立し、「神道十三派」と呼ばれた。
1895年には出雲大社教・黒住教・御嶽教・實行教・神習教・神道大成教・扶桑教・神宮教の8教派が参加して「神道同志会」が結成され、その後「神道懇話会」(1899年)・「神道各教派連合会」(1912年)を経て、1934年に現在の名称「教派神道連合会」となった。今日では出雲大社教・大本[→前回の◆+α 用語ミニ解説参照]・御嶽教・黒住教・金光教・實行教・神習教・神道修成派・神道大教・神理教・扶桑教・禊教の12派が加盟している。なお、教派神道の詳細については、井上順孝『増補 教派神道の形成』(法藏館、2026年)を参照されたい。
バックナンバー ⇒ 2026年5月_新宗教(CIR・DB ニュースレポート)
1895年には出雲大社教・黒住教・御嶽教・實行教・神習教・神道大成教・扶桑教・神宮教の8教派が参加して「神道同志会」が結成され、その後「神道懇話会」(1899年)・「神道各教派連合会」(1912年)を経て、1934年に現在の名称「教派神道連合会」となった。今日では出雲大社教・大本[→前回の◆+α 用語ミニ解説参照]・御嶽教・黒住教・金光教・實行教・神習教・神道修成派・神道大教・神理教・扶桑教・禊教の12派が加盟している。なお、教派神道の詳細については、井上順孝『増補 教派神道の形成』(法藏館、2026年)を参照されたい。
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