研究員レポート
2026/08/20
CIR・DB ニュースレポート 2026年5月 新宗教 |
宗教情報 |
道蔦汐里
宗教情報データベースにて、期間を2026年5月1日~2026年5月31日と設定し、「類義語を含む」「日本の新宗教」にチェックを入れて検索したところ163件の記事が抽出された。前月の2026年4月は225件であったことから、減少傾向が継続している。〈2026年8月10日現在〉
◆ 2026年5月の出来事
全体の記事件数は先月と比較してさらに減少し、また世界平和統一家庭連合(通称・統一教会)の解散命令請求についての報道も落ち着いたことから、統一教会以外の教団についても相対的に報道が目立つようになった。そのなかでも、大本[→◆+α 用語ミニ解説参照]については複数の記事がみられたほか、統一教会についても、報道件数は減少したものの、解散命令をめぐる動きなどを取り上げた複数の記事がみられた。
まず大本については、3日に京都府亀岡市でおこなわれた「光秀まつり」において、戦国武将・明智光秀が築いた丹波亀山城址に聖地「天恩郷」を建設する大本が、「明智光秀像」の超高解像度複製画を2幅作り、初公開したことに関する記事(仏教タイムス5/21)や、4日に出口紅教主就任25周年と古希を祝う「梅松祭」が天恩郷(同府亀岡市)でおこなわれた記事(仏教タイムス5/14ほか)、5日に「みろく大祭」が梅松苑(同府綾部市)でおこなわれた記事(中外日報5/13ほか)、大本の農事組合法人が、供物や信徒の食事用として同府亀岡市内で生産してきたコシヒカリなどを「穴穂米」として一般向けに初販売することに関する記事(京都・京都5/8)などがみられた。
また統一教会についても引き続き、解散命令をめぐる動きに関する報道があった。清算人は20日、教団による高額献金などの被害申告の受け付けを開始したことや、同日付で資産売却の開始を表明。あわせて教団職員約900人を解雇したことが報じられた(朝日・東京5/23ほか)。これに合わせて、「宗教2世」当事者団体の「宗教2世問題ネットワーク」が20日、統一教会の清算人に対して、被害の確実な救済を求め「旧統一教会2世の確実な被害救済に関する意見書」を発送したことも報じられた(仏教タイムス5/28)。また26日には、統一教会の代理人弁護士が記者会見を開き、23日付で解散命令の審理から特定の裁判官を外すよう最高裁に忌避申請していたことを公表(東京・東京5/27)。その後、最高裁が忌避申請を27日付で却下したとする一連の報道もみられた(信濃毎日・長野5/29ほか)。
その他については、各教団の祭典やイベント、社会活動等に関する記事もみられた。具体的には、12日に立正佼成会の庭野平和財団による「庭野平和賞贈呈式」がおこなわれ、受賞者のベンキ・ピヤコ氏が講演をおこなった記事(中外日報5/15ほか)や、17日に真如苑の苑主へ韓国・威徳大学から名誉哲学博士号が授与された記事(仏教タイムス5/14ほか)、17日に日本山妙法寺の創始者・藤井日達が建立した仏舎利塔の50周年記念大法要が営まれたという記事(奈良・奈良5/18)などがあった。
この他、宗教団体やその関係者をめぐる事件・訴訟等に関するニュースも報じられた。1日には、ものみの塔聖書冊子協会(通称・エホバの証人)の信者男性が、教義により輸血を受け入れないことを理由として手術を断られたのは差別的だとし、名古屋市立大に330万円の慰謝料を求めて1月23日付で名古屋地裁に提訴していたことに関する記事が複数の媒体で報じられた(毎日・名古屋5/1ほか)。また2日には、先月から引き続き平和寺本山の土砂流出に関する報道があり、静岡地検沼津支部が廃棄物処理法違反で宗教法人前代表役員で僧侶の男性を起訴したことが報じられた(伊豆日日・伊豆の国5/2)。パーフェクトリバティー教団(PL教団)に違法な献金をさせられたとして、元信者の70代女性が損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決(27日)で、教団の勧誘に違法性が認められず逆転勝訴したことを報じる記事(高知・高知5/28ほか)などもあった。
まず大本については、3日に京都府亀岡市でおこなわれた「光秀まつり」において、戦国武将・明智光秀が築いた丹波亀山城址に聖地「天恩郷」を建設する大本が、「明智光秀像」の超高解像度複製画を2幅作り、初公開したことに関する記事(仏教タイムス5/21)や、4日に出口紅教主就任25周年と古希を祝う「梅松祭」が天恩郷(同府亀岡市)でおこなわれた記事(仏教タイムス5/14ほか)、5日に「みろく大祭」が梅松苑(同府綾部市)でおこなわれた記事(中外日報5/13ほか)、大本の農事組合法人が、供物や信徒の食事用として同府亀岡市内で生産してきたコシヒカリなどを「穴穂米」として一般向けに初販売することに関する記事(京都・京都5/8)などがみられた。
また統一教会についても引き続き、解散命令をめぐる動きに関する報道があった。清算人は20日、教団による高額献金などの被害申告の受け付けを開始したことや、同日付で資産売却の開始を表明。あわせて教団職員約900人を解雇したことが報じられた(朝日・東京5/23ほか)。これに合わせて、「宗教2世」当事者団体の「宗教2世問題ネットワーク」が20日、統一教会の清算人に対して、被害の確実な救済を求め「旧統一教会2世の確実な被害救済に関する意見書」を発送したことも報じられた(仏教タイムス5/28)。また26日には、統一教会の代理人弁護士が記者会見を開き、23日付で解散命令の審理から特定の裁判官を外すよう最高裁に忌避申請していたことを公表(東京・東京5/27)。その後、最高裁が忌避申請を27日付で却下したとする一連の報道もみられた(信濃毎日・長野5/29ほか)。
その他については、各教団の祭典やイベント、社会活動等に関する記事もみられた。具体的には、12日に立正佼成会の庭野平和財団による「庭野平和賞贈呈式」がおこなわれ、受賞者のベンキ・ピヤコ氏が講演をおこなった記事(中外日報5/15ほか)や、17日に真如苑の苑主へ韓国・威徳大学から名誉哲学博士号が授与された記事(仏教タイムス5/14ほか)、17日に日本山妙法寺の創始者・藤井日達が建立した仏舎利塔の50周年記念大法要が営まれたという記事(奈良・奈良5/18)などがあった。
この他、宗教団体やその関係者をめぐる事件・訴訟等に関するニュースも報じられた。1日には、ものみの塔聖書冊子協会(通称・エホバの証人)の信者男性が、教義により輸血を受け入れないことを理由として手術を断られたのは差別的だとし、名古屋市立大に330万円の慰謝料を求めて1月23日付で名古屋地裁に提訴していたことに関する記事が複数の媒体で報じられた(毎日・名古屋5/1ほか)。また2日には、先月から引き続き平和寺本山の土砂流出に関する報道があり、静岡地検沼津支部が廃棄物処理法違反で宗教法人前代表役員で僧侶の男性を起訴したことが報じられた(伊豆日日・伊豆の国5/2)。パーフェクトリバティー教団(PL教団)に違法な献金をさせられたとして、元信者の70代女性が損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決(27日)で、教団の勧誘に違法性が認められず逆転勝訴したことを報じる記事(高知・高知5/28ほか)などもあった。
◆ 記事のピックアップとコメント
✓「大本 教主就任25周年と古希を祝う梅松祭」
[仏教タイムス5/14(中外日報5/15、文化時報5/19)]
大本は5月4日、出口紅教主の古希を祝う「梅松祭」を京都府亀岡市の天恩郷で開催し、全国から信徒1,200人が参拝した。例年は「教主生誕祭」として開催されているが、特別な節目の際には「梅松祭」とすることが3代教主から続いているとされる。今回は、今年12月に教主が古希を迎えることから、この名称がとられた。また併せて3代教主・教主補聖誕祭も営んだ。10時から万祥殿で開かれた祭典では、信徒総代より花束を受け取るなどの祝賀おこな事がおこなわれ、午後には聖師・出口王仁三郎が作詞した「愛善歌」の全国信徒からの奉納大会や、古希慶祝の茶席などが開催された。
また夕方には古希慶祝と教主就任25周年を祝う園遊会も開かれ、25年の歩みを振り返る映像が上映された。全国の青年信徒からも祝意と感謝のメッセージが送られ、教主は「感無量。青年のメッセージを受け、大本の未来は明るいと思った」と述べた。前日の3日には、万祥殿で古希慶祝「大本みろく能」の演能もおこなわれた。
☞ 大本は1892(明治25)年に開祖・出口なおが神がかり(帰神)したことにより開かれた神道系の新宗教であり、なおの娘婿である聖師・出口王仁三郎が教えを体系化し、教団として発展させた。教主は出口家によって代々継承されており、女性が継承する点に特色があるとされる。2代・すみこ、3代・直日、4代・聖子と続き、現教主・紅氏(3代教主・直日の孫、4代教主・聖子の姪)で5代目にあたる。130年余りにわたり、教主が一貫して出口家の女性で継承され続けている点は、大本という教団のあり方を特徴づける要素の一つといえる。(なお、3代教主の時代には「教主補」として、3代教主の夫・出口日出麿氏が就いた。)
新宗教教団では、教祖にまつわる行事がおこなわれるのは一般的だが、現在の教主・指導者にまつわる行事をおこなう教団も存在する。大本では例年、教主生誕祭が営まれているほか、5年前にも今回同様に教主就任20周年を祝う行事(仏教タイムス2021/5/20ほか)がおこなわれている。このように、現在の教主・指導者に焦点を当てた行事を継続的に行うことは、教主・指導者を身近な存在として信徒に意識させ、教団としてのまとまりや一体感を形成する機会にもなっていると考えられる。
[仏教タイムス5/14(中外日報5/15、文化時報5/19)]
大本は5月4日、出口紅教主の古希を祝う「梅松祭」を京都府亀岡市の天恩郷で開催し、全国から信徒1,200人が参拝した。例年は「教主生誕祭」として開催されているが、特別な節目の際には「梅松祭」とすることが3代教主から続いているとされる。今回は、今年12月に教主が古希を迎えることから、この名称がとられた。また併せて3代教主・教主補聖誕祭も営んだ。10時から万祥殿で開かれた祭典では、信徒総代より花束を受け取るなどの祝賀おこな事がおこなわれ、午後には聖師・出口王仁三郎が作詞した「愛善歌」の全国信徒からの奉納大会や、古希慶祝の茶席などが開催された。
また夕方には古希慶祝と教主就任25周年を祝う園遊会も開かれ、25年の歩みを振り返る映像が上映された。全国の青年信徒からも祝意と感謝のメッセージが送られ、教主は「感無量。青年のメッセージを受け、大本の未来は明るいと思った」と述べた。前日の3日には、万祥殿で古希慶祝「大本みろく能」の演能もおこなわれた。
☞ 大本は1892(明治25)年に開祖・出口なおが神がかり(帰神)したことにより開かれた神道系の新宗教であり、なおの娘婿である聖師・出口王仁三郎が教えを体系化し、教団として発展させた。教主は出口家によって代々継承されており、女性が継承する点に特色があるとされる。2代・すみこ、3代・直日、4代・聖子と続き、現教主・紅氏(3代教主・直日の孫、4代教主・聖子の姪)で5代目にあたる。130年余りにわたり、教主が一貫して出口家の女性で継承され続けている点は、大本という教団のあり方を特徴づける要素の一つといえる。(なお、3代教主の時代には「教主補」として、3代教主の夫・出口日出麿氏が就いた。)
新宗教教団では、教祖にまつわる行事がおこなわれるのは一般的だが、現在の教主・指導者にまつわる行事をおこなう教団も存在する。大本では例年、教主生誕祭が営まれているほか、5年前にも今回同様に教主就任20周年を祝う行事(仏教タイムス2021/5/20ほか)がおこなわれている。このように、現在の教主・指導者に焦点を当てた行事を継続的に行うことは、教主・指導者を身近な存在として信徒に意識させ、教団としてのまとまりや一体感を形成する機会にもなっていると考えられる。
◆ +α 用語ミニ解説
大本:1892(明治25)年に開祖・出口なおが神がかり(帰神)したことにより開かれた神道系の新宗教。なおの娘婿である聖師・出口王仁三郎が、開祖の自動書記により書かれた「筆先」と呼ばれる啓示を『大本神諭』(全7巻)として発表し、教えを体系化するなどして教団を発展させた。教団の聖地は京都府に2か所あり、綾部市の「梅松苑(大本本部綾部祭祀センター)」が教団発祥の地として「祭祀の中心地」、亀岡市の亀山城跡に位置する「天恩郷(大本本部亀岡宣教センター)」が「宣教の中心地」とされている。また東京都台東区にも「東光苑(東京宣教センター)」がある。大本は戦前、1921(大正10)年の第1次弾圧、1935(昭和10)年の第2次弾圧という2度の国家による弾圧を経験している。現在は教派神道連合会にも所属している。
また、大本にはいくつかの関連団体があるが、その一つに1925(大正14)年に出口王仁三郎によって創立された「人類愛善会」がある。諸宗教間の協力推進や世界連邦運動、エスペラントの普及、生命倫理問題への取り組みなどを国内外で展開している。現在は出口紅氏が5代総裁を務め、京都府亀岡市に総本部、東京都台東区に東京本部(大本東京本部内)を置いている。
バックナンバー ⇒ 2026年4月_新宗教(CIR・DB ニュースレポート)
また、大本にはいくつかの関連団体があるが、その一つに1925(大正14)年に出口王仁三郎によって創立された「人類愛善会」がある。諸宗教間の協力推進や世界連邦運動、エスペラントの普及、生命倫理問題への取り組みなどを国内外で展開している。現在は出口紅氏が5代総裁を務め、京都府亀岡市に総本部、東京都台東区に東京本部(大本東京本部内)を置いている。
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