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2020/09/20

葛西研究員が邦訳『アルコホーリクス・アノニマスの歴史』を刊行しました

 葛西研究員が、断酒に取り組む自助グループ、アルコホーリクス・アノニマス(AA)の活動の原点を描いた歴史的著作の邦訳、『アルコホーリクス・アノニマスの歴史――酒を手ばなした人びとをむすぶ』(明石書店)の翻訳を担当し、発刊いたしました。

 著者 アーネスト・カーツは、カトリック司祭となった後、心理学と歴史学を学び直し、アルコホーリクス・アノニマスの歴史を学術的に研究した他、アルコール依存に悩む人や、その家族、友人のための相談や、講演などを通しての啓発活動に従事しながら、研究し、教鞭を執っていました。2015年に逝去。

本書の帯には、松本俊彦先生(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長) の言葉が寄せられています。

「心の酔い」を覚ます共同体
AAには不思議な力がある。その力は、依存症者たちに酒を手放させるだけでなく、彼らを、静けさと謙虚さを備えた、魅力的な人間に変えてしまうのだ。
本書を読んでその理由がわかった。AAが目指してきたのは、酒をやめて「脳の酔い」を覚ますことではなかった。飲むことを必要としない生き方を手に入れるために、肥大したエゴという「心の酔い」を覚ますことだったのだ。 人々のエゴが病的に肥大し、現実世界やネット上のあちこちで衝突してやまない今こそ、多くの人にこのAAの活動を知ってもらいたいと思う。




● 『読売新聞』2020年11月1日付に書評が掲載されました。
● 『毎日新聞』2020年12月27日付に書評が掲載されました。
● 増刷され、2021年1月より電子版が販売開始されました。

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