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宗教情報

宗教情報センターの研究員の研究活動の成果や副産物の一部を、研究レポートの形で公開します。
不定期に掲載されます。


2022/04/15

宗教界とスピリチュアル界のウクライナ侵攻に対する態度

宗教情報

藤山みどり(宗教情報センター研究員)

ロシアが2022224日にウクライナに侵攻してから、1カ月以上経つ。侵攻直前の演説で、プーチン大統領は、ウクライナに虐殺される東部住民の保護、非軍事化と非ナチ(ナチス)化のために軍事作戦を実施したと主張。さらに「大量破壊兵器が存在する」というデマを根拠にイラクに侵攻したとして米国など西側諸国を批判した[1]。大統領の主張を裏付ける、親ロシア武装勢力がSNSに投稿した“ウクライナの攻撃で足を喪った東部の住民”の映像については、自作自演という報道もある[2]。フェイクニュースと真実の見極めが難しい時代には、どちらに与するかの判断も難しい。

だが3月2日には国連総会でロシアへの非難決議が日本を含む141カ国の賛成(ベラルーシなど5カ国が反対、中国やインドなど35カ国が棄権)で採択され、西側諸国の政府や企業はロシアへの経済制裁に踏み切った。

世界を巻き込んだこの侵攻に対して、宗教界そしてスピリチュアル界は、どのような態度を示しているのだろうか。

 

(1)ウクライナ侵攻への海外の宗教界の態度

宗教界の態度を見る前に、これまでの動きをまとめておこう。ウクライナが2014年に親ロシア政権から親欧州政権に交代したあと、危機感をもったロシアが東部クリミアに侵攻し、両国の対立は激化した。対立は宗教界にも及び、ロシア正教会傘下のウクライナ正教会が独立を求め、2019年にトルコのコンスタンティノープル総主教庁によってウクライナ正教会の2派が独立を認められた(「2019年の海外の宗教関係の出来事」参照)。一方、イスラム過激派が台頭する中東におけるキリスト教徒保護のため、ロシアとの協調を図ろうとしていたローマ教皇フランシスコは、2016年2月にロシア正教会キリル総主教と会談したとき、クリミア侵攻を批判せず、ウクライナをロシア正教会の勢力下と認めたともみられ、ウクライナのカトリック信者を落胆させた。ウクライナのカトリック信者には、ローマ教皇を頂点に抱くが典礼は正教会の形式で行う、カトリックとしては異質な東方典礼カトリック教会に所属する者が多い。今回、ローマ教皇の態度はどうだったのか。

 

カトリックとロシア

ローマ教皇フランシスコはすでに2月23日にウクライナ情勢を懸念し、全世界の人々に3月2日を「平和のための断食の日」とするよう呼びかけていた。2022年3月6日にもバチカンのサンピエトロ広場でウクライナへの祈りを捧げたが、やはりウクライナ側が期待したようなロシアを非難する言葉はなかった[3]

一方、プーチン大統領の盟友であるキリル総主教は3月6日、ウクライナ紛争を“神の教えを守る形而上学的な意味合いをもつ闘争”と表現し、ウクライナへの侵略を正当化した[4]同性愛の受容など西側諸国の価値観への拒否が紛争の一因であると述べた。9日には、ロシアとウクライナは一つの民族だが、「人類の敵は私たちの民族関係にウソを投げ込み、紛争へ発展させる」などとプーチン大統領の考えを支持する説教をした[5]。ただロシア正教会も一枚岩ではなく、1日に発表した軍事侵攻の即時停止と和解を求める公開書簡には、司祭ら286人が8日午前までに署名した[6]。また、2019年に独立せずロシア正教会傘下(モスクワ総主教庁系)に留まっていたウクライナ正教会に所属する28の教会・修道院が傘下から離脱し、3月26日までに独立したウクライナ正教会に加入した[7]

教皇フランシスコには、調停の役割が期待されている。ウクライナのゼレンスキー大統領は2月26日と3月22日に教皇フランシスコと電話会談を行った。3月22日のツイッターには、停戦実現のための調停を教皇に要請したと記した[8]。一方で教皇フランシスコは3月16日には、キリル総主教とテレビ電話で話し合い、「教会は平和と正義の強化に貢献するよう求められている」と声明を発表した[9]。しかし、教皇フランシスコには2016年当時と異なりロシアと共通の利益もなく、調停役としては期待薄である。

ウクライナには正教徒が多いが、隣のカトリック国ポーランドへ避難する国民が約269万人(4月13日時点)[10]と圧倒的に多く、もはや受け入れ困難な状況になっている。カトリックの修道会や国際カリタス(カトリックのNGO)がウクライナからの避難民の避難所の提供や精神的ケア、食糧支援などを行っている[11]

ルーマニアにはポーランドに次ぐ約72万人が避難している。ルーマニアは正教徒が9割弱の国家で、ルーマニア正教会はウクライナ正教会と連絡を取り、円滑な難民支援を行っている。ルーマニア正教会が行った支援総額は4月8日までに約703万円に上っている[12]

 

(2)日本の宗教界の態度

声明の発表や難民支援、募金

日本政府が西側諸国と歩調を合わせてロシアへの制裁とウクライナへの人道支援を決めたのと同じように、主な宗教団体も声明を発表し、資金提供や募金活動を行っている。また、仏教、キリスト教、神道など宗教を超えた宗教者が参加して「祈りの行進」も行われた[13]

声明は、2月25日に日蓮宗宗務総長が談話を発表したのを皮切りに、創価学会、日本カトリック司教協議会(2月28日)、真宗大谷派、曹洞宗、臨済宗妙心寺派(3月1日)、浄土宗(3月2日)、天台宗(3月3日)、大本本部・人類愛善会(3月4日)、真言宗智山派(3月5日)、浄土真宗本願寺派(3月8日)、立正佼成会(3月12日)、天理教(発表日不明)などが相次いで発表した。ロシア正教会傘下にある聖自治日本正教会(日本ハリストス正教会)も、3月10日に「暴力行為と破壊に反対」し、紛争の終結を願う声明を発表した。

内容は、武力行使への反対・非難・抗議の表明、経典(聖書)や開祖の言葉を織り込んで、即時停戦と対話による解決を望む教団がほとんどである。

しかし、細かくみると違いがある。まず、非難の対象が異なる。たとえば、「ロシア連邦によるウクライナ領域内への侵攻」を「強く非難」(日蓮宗)する教団に対して、非難対象を侵攻した側に限定せず、「武力による戦争」(臨済宗妙心寺派)、「武力の行使」(浄土宗)など武力行使という行為に焦点を絞る教団がある。創価学会が、ウクライナの名を示してもロシアの国名がないまま「停戦を強く望む」声明を発表したのは、『仏教タイムス』[14]が指摘するように池田大作名誉会長がロシアから数多の名誉称号を受けているからなのか。

また、双方の国民感情に思いを馳せる教団もある。「(死傷者が多く出ている)その苦しみと悲しみは、侵攻を受けているウクライナ国民だけでなく、攻撃しているロシア国民にも共通のはず」(臨済宗妙心寺派)、「ウクライナ国民も、ロシア国民も戦争を望んではおらず」(立正佼成会)などである。

さらに、問題への対処としては、「平和、戦争の終結、話し合いによる解決、人々の安寧」などを「(神仏に)祈る(願う)」教団が大多数である。

自分がなすべきこととして「戦争の惨禍に巻き込まれ(略)平穏な生活を奪われた人びとのあらゆる痛みと苦悩に寄り添うこと」「一人ひとりが当事者として考え、行動する必要」がある(曹洞宗)と述べた教団もある。

各教団の声明は、公式サイトや宗教専門紙などに掲載されたが、全国紙への掲載はないようである。その社会的影響力に疑問を感じて、声明を出さない方針を示した東寺真言宗の吉村増亮宗務総長は「我々宗教法人が及ぼすことのできる力には限りがあり、真摯に祈りを捧げることこそが我々の力であり、まずはなすべきこと」と語った[15]

また、森清範・清水寺貫主(北法相宗管長)は『しんぶん赤旗』[16]で、戦争に渦巻くのは人間の「我欲」から起こってくる「我執」で、それが「国益」へとつながっていると語る。奈良仏教の法相宗大本山興福寺の流れを汲む北法相宗本山・清水寺は宗派声明を出していない。声明を出さないのは、奈良仏教は学究中心で鎌倉仏教(浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗など。※天台宗、真言宗は平安仏教)や新宗教のように広く民衆と接点をもつ教えではないことや、宗旨である唯識の教えと関連するのかもしれない。森貫主のウクライナ侵攻に関する寄稿は他宗派の声明とは趣きが異なり、自身の心の在り方を説く。

この度の戦争でもややもすると自らの「我執」「国益」から眺め、ことさらに「敵」をつくろうとする自分に気がつき愕然とします。(略)私の宗旨の唯識の教えでは自らの心を厳しく見つめ「我執」を超越することを説いています。私たち一人ひとりの心のありようが世界とつながっています。私たちの一念が世界を変えていく力を持っているのです。(中略)

……私の宗旨では一人ひとりが観音さまになり、一人ひとりの心に「慈悲のとりで」を築くよう説いています。(後略)

 

(3)スピリチュアル界の人々の態度

では、これらに対して、精神世界やスピリチュアル界では、ウクライナ侵攻の捉え方と対処方法は、どのようなものだろうか。スピリチュアル界といってもさまざまであり、そもそもウクライナ侵攻について語らない人も多いが、語っている人の内容を見てみた。

反戦と願い

まずは、宗教界の声明にみられた「武力行使への反対」や「祈り」に対応する言説を見てみよう。「スピリチュアルタレント」としてテレビやYouTubeで活躍するCHIE[17]は、「平和は一人一人の心から」というタイトルのブログ[18]で、カトリックの修道女マザー・テレサが生前に残した「私は反戦集会にはいきません。平和集会になら行きます」という言葉を紹介したうえで、次のように書いている。

何かに反対する心を持てば

その心が争いを引き起こす

反戦を唱えるのか

平和を唱えるのか

抵抗から願うのか

愛から願うのか

そして、願い方について、次のように述べている。

恐れに抵抗するように願っても

意識は自分の中の

“悪”にフォーカスしたまま。

あなたの本当の願いは

何かが起こらないこと、

何かが無くなることよりも、

望みに向かっていくこと。

だから

「望み」にだけフォーカスしましょう。

辛いことがなくなる未来を願うのではなく、

笑っていられる未来を願う。

苦しみがなくなるよう願うのではなく、

自由になれるように願う。

願う時、頭の中で

どんな映像を思い描くか。

あなたが見る世界は

あなたの頭の中に生んだ映像の投影です。

あなたが問題や悩みについて考えなくなることで

その問題や悩みは消えていきます。

(赤字は原文ママ、以下略)

 

この前半は、軍事侵攻や武力行使への「反対・非難・抗議」を唱える教団声明とは相容れないだろう。なお、反戦運動の動機が「怒り」ならば、怒りのエネルギーがより大きくなるため、世界がもっと悪化するということは、スピリチュアル界の他の人も語っている[19]

後半では、いくつかの教団の声明にみられたような「戦争の終結」を願うという方法を否定し、「笑っていられる未来=平和、人々の安寧」を願うという方法を奨励している。戦争という恐れの対象や“悪”に意識を向けていると、その映像が現実世界に投影されるからだという。「笑っていられる未来」を「願う」は、宗教界の声明にみられた「祈り」とも似ている。ただし、宗教者の神仏に向けての「祈り」もスピリチュアル界の「願い」も一様ではないが、ここにみられるCHIEの願い方は「自分」の頭のなかに収束している。

 

◆自分が幸せで平和になる

では、次に自分がなすべきこととして推奨していることについて、見ていこう。1986年にアメリカの女優シャーリー・マクレーンのスピリチュアル的な自伝『アウト・オン・ア・リム』を夫の山川紘矢と翻訳出版してブームを起こして以来、日本の精神世界・スピリチュアル界をけん引している翻訳家の山川亜希子は、「波動」という考え方をもとに述べている。スピリチュアルの世界では、人やモノには固有の周波数(振動数)、つまり「波動」があり、この波動を高めることが良いと考えられている。
(略)実は今こそ、こんな脳天気で幸せいっぱいになることが大切なのだと思います。だって、遠くの戦争のことや我が国への影響について夢中で議論するよりも、戦争やそれを起こしている人々の恐怖のエネルギーを中和するために、当事者ではない私たちは愛と幸せと平和の波動を高めるほうが、ずっと重要だからです」

今までは戦争や災害などが起こると、世界中の人が必死にそのことを考え一緒に悲しみ、怒り、怖れるのが当然、とされてきました」
 
この従来の対処法には、各教団の声明にみられたロシアによる軍事侵攻への抗議、曹洞宗の声明にみられた「寄り添うこと」や東日本大震災のときに多く呼びかけられた「共感」などもあてはまるだろう。これらに対して山川は、新しい対処を提案する。

私たちが楽しんで自分の波動を高めていけば、今起こっている戦争の荒い波動を中和できるかもしれないから。そして、それが戦争を終わらせるための、一番の近道かもしれないのです
(メルマガ「紘矢・亜希子の自由気ままに」2022年3月13日配信)

山川は、同じようなことを言っている人はFacebookの投稿などを見ても多いという。Amebaブログの「占い・スピリチュアル部門」で上位に入る大木ゆきの[20]も次のようにブログに記している。

りったけの愛を自分に注いだら。あなたが自分に注いだ愛はあなたからあふれ出し、世界に流れていきます。(略)愛であふれ、幸せでいる人が増えるほど、地球が平和になっていくのです。だから、今日ばかりは、自分に愛を注いで、注いで、注ぎまくって、世界を愛で満たしましょう[21]

また、インド在住でチャネリング(ハイヤーセルフなど高次元の世界の存在と交信すること)の動画講座などを行っているakiko[22]も、動画サイトYouTubeで、おおよそ次のようなことを語っている[23]

戦争を止めたいという気持ちがあるときには、まず自分自身の気持ちに平和という状態を作っていくこと。そうすると周りの人たちも平和になってくる。なぜなら、私たちが映写機であり、外側の世界が映画のようなものだから。そこには少しタイムラグがある。だから、自分がいま体験している現実は、過去に自分が出した波動が外側に投影されたもの。

(上記は著者が語りをまとめたもの)

山川は、自分の出した波動が周囲に伝わるといい、akikoは、自分の波動が投影されたものが自分の前に広がる世界であるという。このような考え方は、前述の森清範・清水寺管主が説いた仏教における唯識の教えにも似て新しいものではないが、スピリチュアル界で多くみられる。

スピリチュアル・カウンセラーでYouTubeの「並木良和 / Namiki Channelチャンネル」登録者数が 13.1万人に上る並木良和も、ウクライナ侵攻について述べたものではないが、同じようなことを述べている。

……「許さない、認めない」という周波数が、世の中に許せないことや認められないことを反映させ、僕たちは、それを外側からやって来るものとして体験して来たのです。

(中略)先ずはあなたから始めましょう。 「自分で自分を許し、認め、愛してあげて」ください。(略)

そうして、だんだん自分を認め、受け入れることが出来るようになると、自己肯定感が高まり、そのあなたを反映するように、世の中も肯定できるようなことが増えて来たな…と感じられるようになるはずです。

『すべては自分から始まります。』

創造主であり、人生の主人公である、あなたが変わることが先であり、現実が変化するのは、その後なんですよね![24]

(以下略)

こうした考え方は、紛争に巻き込まれた人々への共感や寄り添いとは相反するものであり、募金や支援といった多くの宗教団体が行っている他者への働きかけとも方向性が異なる。前述の自己完結した「願い」と同じように、世界で起きている事象に対して自分の内面の変化で対応するという考えで、自己完結している。

スピリチュアル界では、「良くないニュースは見ないほうがよい」「戦争などのネガティブな出来事に意識をフォーカスさせないほうがよい」などの考え方がみられる。この理由としては、「良くないニュースを見て不安を感じると、不安になるような出来事を現実に引き寄せてしまう」「悪い出来事が潜在意識に記憶されると、いずれ記憶が再生されて現実に悪い出来事が起きる」などが挙げられる。このような考え方は、戦争や災害に遭った人々への無関心につながりそうである。その一方で、「戦争を止めるため」や「平和であるために」という共通善を呼びかけていて、利他的にもみえる。しかし、山川が述べるような“今までの”考え方と比べると、やはり自己完結型といえるだろう。

オウム真理教事件以降、宗教団体のもつ危うさが忌避されて「集団」ではなく「個人」で関われるスピリチュアルが流行ったともいわれている。個人主義だからスピリチュアルに傾倒したのか、スピリチュアルに傾倒したから個人主義になったのか。それとも他者とのリアルな交流機会が無い仮想空間時代の産物なのだろうか。あるいは宗教団体に心の在り方を説くだけでなく目に見える社会貢献がより求められるようになり、宗教団体が一般企業や国家と同じような社会的な態度表明をせざるを得なくなったのだろうか。とはいえスピリチュアル界の考え方は、宗教界の声明にみられる考え方と比べると、他者との関わりを拒絶し、自分だけの閉鎖空間にいるようにもみえる。

奇しくも並木良和は、「スピリチュアルは、『本当のあなたを生きる』ことに他ならない」と、次のように述べている[25]

スピリチュアルを生き方にするというのは、「全ての現実は、自分の意識で創り出している。自分が体験することは、全て自分に責任がある。」ということを受け入れることを意味しています。だからこそ、僕たちは本来の光とパワーを取り戻すことが出来るようになるのであり、「思い通りに、望む現実を創り出すことが出来る」ようになるのです。

(中略)あなたが「必要」「大切」「真実」「役に立つ」と感じることを静かに行い、「他の人は放っておく」、ということでもあります。誰かにわかってもらいたい、他の人にもそうなってほしい、と、自分の考えや思いを押し付けるような生き方は、「ファンタジー」であることを理解しましょう。

スピリチュアルというと非現実的なものと誤解されがちだが、「引き寄せの法則」など現世利益的な願望実現方法なども説いており、必ずしも現実世界と遊離しているわけではない。スピリチュアル界の情報発信は、書籍や電子出版、ブログやTwitterInstagramFacebookなどSNSのほかYouTubeなどさまざまな媒体を活用し、文字だけでなく音声や動画での情報発信も多い。端的な情報発信で、他の人と共有しやすい媒体が多く、拡散しやすい。並木良和はラジオにも出演している[26]

今回のウクライナ侵攻に関して、宗教界の声明などには社会的な影響力がないというが、宗教界の呼びかけを打ち消すようなスピリチュアル界の情報発信のほうが強いのだろうか。どのような情報発信が人々の心に届き、その行動を変容させるのだろうか。新型コロナ感染症の影響で現実社会における他者との接触が制限され、電源スイッチひとつで好ましくない外界情報との接触を断つことができる現状は、スピリチュアル界の言説や世界観のほうが人々の共感を得られそうな状況に思えてしまう。

 

 

<主な宗教団体によるウクライナ侵攻に関する声明>

2月25日・日蓮宗宗務総長

ロシア連邦によるウクライナ領域内への侵攻に対する声明文

2月28日・日本カトリック司教協議会会長談話

3月2日の灰の水曜日に、ウクライナにおける平和のために断食と祈りを捧げましょう」 

●2月28日・創価学会会長声明「ウクライナにおける戦火の終結と平和回復を強く祈る

3月1日・臨済宗妙心寺派宗務総長ほか2名「ウクライナ情勢に関する談話

3月1日・真宗大谷派宗務総長「ロシア連邦のウクライナ侵攻に関する声明

3月2日・浄土宗宗務総長「ロシアによるウクライナ侵攻に対する声明

3月3日・天台宗宗務総長談話「ウクライナへの武力侵攻について」

3月4日・大本本部長・人類愛善会会長「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について

3月5日・真言宗智山派宗務総長「ウクライナ情勢に関する声明

3月8日・浄土真宗本願寺派総長「ロシア連邦によるウクライナ侵攻に対する声明

3月10日・聖自治日本正教会主教会議声明「愛と平和の希求

3月12日・立正佼成会「ウクライナ情勢に関するメッセージ

発表日時不詳・天理教「天理教から皆さまへ

このほか、真如苑が2月28日にウクライナの惨状にTwitter(英文)で意見表明し、孝道教団(孝道山)が「ウクライナの人道危機への声明(4月1日)」をfacebookに投稿している。

※5月21日追加
4月26日・高野山真言宗宗務総長声明ウクライナの事態に関する声明

 


 

 世界の紛争地域で紛争解決や武装解除の実務に携わってきた伊勢崎賢治・東京外国語大学教授は、国連総会でのロシア非難決議に棄権した南アフリカは「棄権というより『こういう決議は対話を生まない』と実は明確に反対している」と語っている(『AERA』2022.3.21)。


[1] 「【演説全文】ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領は何を語った?」NHK2022年3月4日https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220304/k10013513641000.html

[2] 『日本経済新聞』2022年2月25

[3] 『毎日新聞』2022年3月15

[4] 「ウクライナ戦争の一因はプライドパレード、ロシア正教会トップ」CNN 2022312日 https://www.cnn.co.jp/world/35184795.html

Peter SmithRussia's Patriarch Kirill defends invasion of Ukraine, stoking Orthodox tensions Catholic News Service Mar 8, 2022

https://www.ncronline.org/news/people/russias-patriarch-kirill-defends-invasion-ukraine-stoking-orthodox-tensions

[5] 『朝日新聞』2022年3月27

[7] 「モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会、侵攻後に28教会・修道院が離脱」2022年4月6日CHRISTIAN TODAY https://www.christiantoday.co.jp/articles/30784/20220406/28-communities-have-left-uocmp-to-join-ocu.htm

[8] 「ウクライナ教皇、ゼレンスキー大統領と2回目の電話会談」VATICAN NEWS 2022年3月22

[9] 『中外日報』2022年3月18

[10] Refugees fleeing Ukraine (since 24 February 2022)*UNHCR

https://data2.unhcr.org/en/situations/ukraine

[11] 『カトリック新聞』2022年3月20

[12] Romanian Orthodox Church has so far backed Ukraine with more than 5m euros in humanitarian aid8 Apr. 2022 The European Times News.

https://www.europeantimes.news/ja/2022/04/romanian-orthodox-church-has-so-far-backed-ukraine-with-more-than-5m-euros-in-humanitarian-aid/

[13] 「ウクライナ侵攻に抗議 宗教者が『祈りの行進』鹿児島市」『毎日新聞』鹿児島版2022年3月7日 

[14] 21世紀宗教と政治研究会(6)社会憲章下の創価・公明の師弟たち「ロシアから多くの名誉称号 国名なしの停戦発言続く学会本部」2022年4月7日

[15] 『中外日報』2022年3月30

[16] 「戦争と平和――宗教者は語る」2022年4月13

[17] ワタナベエンターテインメント所属の女性タレント。2022年1月からABEMA配信『いま、好きな人いる? 未来のための恋占い』(毎週木曜夜11時放送)に「スピリチュアル占い師」としても登場。著書にCHIE『この世界の私をそこから見たら』講談社2017年9月14日などがある。

[18] CHIE「スピリチュアル観察日記 CHIEオフィシャルブログ」「平和は一人一人の心から」2022年3月8日https://ameblo.jp/chie-sp-we/entry-12730607907.html

[19] たとえば、YouTube NORIさんの【精神世界研究チャンネル】デモや抗議活動は逆効果!?波動の共鳴と、目に見えないエネルギーの不思議なお話15,175 回視聴2022/03/012022年4月9日時点、スピリチュアル系作家・作曲家の鈴木啓介「鈴木啓介 フラワーオブライフ日記」「ウクライナ戦争について、ガイドからのメッセージ」2022年3月1日https://ameblo.jp/blessthechildren/entry-12729363008.htmlなど。

[20] 大木ゆきの『宇宙は逆さまにできている! 想像以上の恩寵を受け取る方法』KADOKAWA 20151113日など著作も多い。

[21]大木ゆきの「幸せって意外にカンタン」「自分のために、世界のために」2022年3月11日 https://ameblo.jp/lifeshift/entry-12731262743.html

[22] 著書にスピリチュアルakiko『思いどおりにぜんぶ叶えてくれる潜在意識の魔法』KADOKAWA 2021年9月29日、ブログはチャネリング★宇宙の法則エネルギーワーカーakiko「自分の心のwakuwakuエネルギーを生きる」https://ameblo.jp/earth-healing-akiko/

[23] YouTube akikoSpiritual【平和な世界へ】自分自身の内側は平和ですか?47,713 回視聴2022/03/04 ※2022年4月9日時点

[24] 「並木良和オフィシャルブログ」「並木先生からのメッセージ2021年8月10https://ameblo.jp/namikiyoshikazu/entry-12691398104.html

[25] 「並木良和オフィシャルブログ」「並木先生からのメッセージ2021年5月28

https://ameblo.jp/namikiyoshikazu/entry-12677083246.html

[26] 「並木良和オフィシャルサイト」https://namikiyoshikazu.com/