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宗教情報センターの研究員の研究活動の成果や副産物の一部を、研究レポートの形で公開します。
不定期に掲載されます。


2021/10/05

海外の宗教界における新型コロナウイルスのワクチン接種に関する議論

宗教情報

藤山みどり(宗教情報センター研究員)

新型コロナウイルス感染者が多い諸外国では、ワクチン義務化が進んでいる。2021年3月8日に死者10万人を突破したイタリアでは、3月31日にEUでは初めて医療従事者のワクチン接種の義務化の方針を発表した。欧州主要国で初めて民間企業を含むすべての職場の労働者を対象にワクチン接種完了か検査での陰性、感染症既往歴を示す「グリーンパス」の携行を10月15日から義務づけた。
 フランスでは7月に、9月15日から医療従事者にワクチン接種を義務づける法律が国会で成立した。同国では7月21日に映画館や宗教施設、文化施設などの利用や50人以上が集まる場所への入場に導入されたワクチン接種済みか陰性かを証明する「衛生パス」の提示が、8月9日からレストラン、長距離移動の公共交通機関などにも拡大された。これに対して、未接種者に不当な制限を課すと抗議するデモがフランス全土で多発した。
 2020年12月にアラブ諸国で最初にワクチン接種を開始したサウジアラビアでは、2021年8月から、すべての公的・民間施設、商業施設への入場、イベントへの参加、公共交通機関の利用に免疫獲得(ワクチン接種もしくは感染後の回復)が義務づけられた1
 ワクチン接種率が伸び悩んでいる米国ではバイデン大統領が9月9日に、従業員数100人以上の企業の従業員にはワクチン接種か毎週の陰性証明提出を義務づけ、従わない場合には最大1万4000ドル(約150万円)の罰金を科す方針を発表した。連邦政府の職員にもワクチン接種が義務化され、健康や宗教上の理由がある場合は対象外だが、従わない場合は懲戒処分の対象になる。義務化が進んだ背景には、テキサス州の連邦地裁が6月、民間病院の接種義務化に異議を唱えた従業員の訴えを、接種による公益が個人の自由を上回ると判断して却下したためでもある。
 ワクチン接種を拒否する理由として、「宗教上の理由」が考慮されているが2、宗教界ではワクチン接種はどのように受け止められているのだろうか。

(1)米国の宗教とワクチン接種…福音派の白人はワクチン忌避


◆主要な宗派はワクチンに賛成
 米国では、全人口の53%に当たる約1億7,600万人が接種を完了している(9月4日時点)3。主要な宗派ではワクチン接種に反対するところはなく、医学的治療よりも祈りの力をあてにするクリスチャン・サイエンスでさえ「ワクチン接種の要請を含めて、公衆衛生当局を尊重し、遵法するよう助言してきた」4と述べている5。このため法律の専門家は、宗教的信条がワクチン接種を禁じているという主張は、裁判では持ちこたえられないだろうとみる6
 キリスト教プロテスタント非主流派の福音派を中心に全米約4万5000の教会が加盟する全米福音同盟(NAE)が2021年1月に行った調査では、福音派指導者の95%が「ワクチンが接種できるようになれば接種する」、89%が「他者にも接種を勧める」と回答した7

◆信仰によって異なるワクチンへの拒否感
 しかし、カイザー・ファミリー財団(KFF)が2021年3月に発表した調査では、ワクチンを「絶対に接種しない」と回答した米国の成人が13%であるのに対し、福音派を自認する白人では28%に上り、ワクチンへの強い拒否感がみられた8。共和党支持者も「絶対に接種しない」が29%と高かった。福音派は聖書の記述を忠実に解釈する保守派で、人工妊娠中絶や同性婚に反対しており、共和党の支持層でもある。
 非営利団体の公共宗教研究所(PRRI)とインターフェイス・ユース・コア(IFYC)が2021年3月に全米で実施した調査でも、やはり福音派の白人にワクチン拒否層が多かった9
 ワクチンへの態度を受容層(接種済み+接種予定)と躊躇層、拒否層の3つに分けると、受容層はユダヤ教徒(85%)が最も多く、カトリック教徒も受容層が多数派(カトリックの白人68%、カトリックのヒスパニック56%)だった。プロテスタントでは、主流派プロテスタントの白人(63%)には受容層が多いが、プロテスタントの黒人(49%)、福音派の白人(45%)では半数を切った。モルモン教徒は50%であった。
 福音派の白人は拒否層が突出して多く26%、躊躇層は28%であった。ただし、調査からは、宗教指導者が接種を奨励する余地があることが明らかになった10。福音派の白人の躊躇層のうち66%は少なくとも少しは宗教指導者にワクチン情報を頼るだろうと回答し、また、躊躇層のうち定期的に礼拝に出席する人(47%)は信仰に基づくアプローチがあればワクチンを接種するだろうと回答した。

◆ワクチンに関するQアノン陰謀論と信仰
 米国人がワクチン接種を拒否あるいは躊躇する懸念材料としては、長期的な影響が不明(58%)、副反応(49%)、安全性(45%)、有効性(43%)などが挙げられるが、陰謀論を唱えるQアノンも“新型コロナウイルスのワクチンは、聖書の予言(新約聖書「ヨハネの黙示録」)に書かれた「獣の刻印」で、監視のためのマイクロチップが含まれている”などのネガティブな情報を流している。この調査からは、Qアノンの陰謀論を信じる度合いが高いほどワクチン接種を躊躇・拒否するという関連性も明らかになった。福音派の白人では、Qアノンの陰謀論に概ね同意する人が多く(20%)、ユダヤ教徒では信じる人が少ない(4%)。ただし、Qアノン信奉者は、信仰に基づくアプローチをすればワクチンへの躊躇を克服させやすい人であるという結果も得られている11
 調査結果からは、福音派の宗教指導者たちがワクチン接種を推奨すれば、福音派の白人の接種率が上がる可能性が示唆された。だがメディアでは、反ワクチンを訴える福音派牧師が大きく取り上げられて目立つ12。ローマ教皇を頂点にピラミッド型組織が形成されているカトリックや、ある程度組織化されている主流派プロテスタントと異なり、万人祭司主義を地で行くような福音派では、足並みを揃えさせるのは難しいかもしれない。

(2)ユダヤ教…ワクチン懸念の的は不妊をもたらさないか、健康維持を重視


◆米国の正統派とワクチン接種
 PRRI-IFYC調査では、ワクチン受容層はユダヤ教徒に最も多かったが、なぜだろうか。ユダヤ教といっても、世俗派、改革派、正統派、超正統派とさまざまである。
 厳格に戒律を守る超正統派のハバド(派)は、新型コロナウイルスに限らず「ワクチンについてユダヤの律法で、どう説いているか」という質問に対して、まず「自分の健康を守ることはミツヴァー(戒律)であり、自分がそうしたくない場合でも、そうする義務がある13と答えている 。トーラー(ユダヤの教え、モーゼ五書)では、「体は神からの贈り物であり、私たちが所有者ではないと教えている」。さらに、健康に問題が起きたときに対処するのでは不十分で、予防策を講じなければならないという。ユダヤ教の傑出したラビ(指導者)が、ペストが発生したならば都市から逃れる義務があると記したことを例示し、病気にかかるリスクが高いときにワクチンを接種することがこれと同じであるならば、接種は義務であると述べている。
 ハバドは2021年1月に、米国マサチューセッツ州中部の地域のセンターを20年近く運営してきたラビの解雇を発表した。このラビは、新型コロナウイルスのワクチンを“死や生涯続く傷害と不妊“をもたらす“実験的注射”と主張し、ハバドから組織の使命に反するとして何度も警告を受けていた14
 ただし、ユダヤ教徒でも超正統派を含む正統派は、ワクチン忌避層が多かった。ニューヨーク市のなかでも正統派コミュニティがある地域では接種率が低かった。ワクチン忌避の原因は、コミュニティに広まっていた“ワクチンが男女の生殖能力に悪影響を与える可能性がある”という情報だった。正統派では避妊が許されず、出産が重視されているため子供の人数が多い。不妊は重大な懸念事項である。そこで、メリーランド州ボルチモアとニューヨーク州ロングアイランドの正統派のラビたちが、「神が安全で効果的なワクチンという贈り物を与えてくれた」などと2021年9月にワクチン接種を呼びかけるビデオメッセージを流した15

◆ユダヤ教徒とコーシャ
 ユダヤ教徒が摂取するものは戒律に則ったコーシャ(適正)なものでなければならない。ユダヤ教ではイスラム教と異なり、アルコールは飲んでもよいが、イスラム教と同じく豚やゼラチンなど豚由来の成分は食べてはいけない。ただし、報道をみると、ユダヤ教徒の間では、ワクチンが豚由来の成分を含んでいてコーシャではないのではないか、ということよりも、ワクチンが不妊をもたらすのではないか、という懸念のほうが大きかったようである。それだけ出産が重視されているのであろう。
 2020年12月には英国で働くユダヤ人医師70人以上が、新型コロナウイルスのワクチンに関する“噂”を信じることについて警告し、ファイザー製ワクチンが不妊をもたらす証拠はなく、ワクチンにコーシャでないものが含まれないことを確認したと公開書簡を出した16

◆イスラエルのワクチン接種キャンペーン
 ユダヤ教徒が約74%の国家イスラエルでは、ネタニヤフ首相(当時)がファイザー社CEOと交渉し、接種者の医療データの引き渡しを条件にワクチンを早々に確保した。首相がワクチンを公開接種した翌日の2020年12月20日から国民へのワクチン接種と接種キャンペーンが始まった。速いペースで接種率が上昇したが、超正統派の接種は遅かった。
 2021年1月時点では、イスラエルにおける新型コロナウイルス感染者の3分の1以上が、人口の13%に過ぎない超正統派だった。超正統派は世俗教育を否定し、教義の研究に専念するため男性でも就職しない。だが近年は就職者が増えており、超正統派の男性(25~64歳)の就業率は52%(2020年)と過半数である。それでも貧困率が53%(2016年)と高く、多産のため住宅密度が高い。超正統派は、都市封鎖中でもシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で集会を開催し、学校を開き、大人数を集めた結婚式を行うなど規制違反が多く、大家族が小さなアパートに暮らすことが多い生活環境も感染率を高めた17

◆超正統派をターゲットにしたワクチン接種キャンペーン
 イスラエルでは、ワクチン承認前の2020年8月にタスクフォースを設置するなどして、超正統派、アラブ人、その他の3つの属性別に新型コロナ対策を行った18。超正統派をターゲットにしたタスクフォースは、ワクチン忌避原因を探って善処し、接種に結びつけた。
 イスラエル民主主義研究所(IDI)のガットマン世論・政策研究センターが2020年11月に発表した調査では、超正統派はラビの指導力への信頼度が高く(90%)、93%が新型コロナ対策の方針決定にラビを参加させることが必要と答えている。一方で、保健省への信頼度は低かった(「信頼していない」が75%)ものの、ウイルスから身を守るために保健省の指示に「かなり」または「大いに」従うと答えた比率は高かった(82%)19
 タスクフォースでは、とくに超正統派の若い女性の間に広まっていた妊娠に関する副作用への懸念に、超正統派が信頼するラビと医師を集めて対処した。超正統派では接種が遅れ、当初は超正統派の一部に規制違反が多かったが、実質的な抵抗はほとんどなかった。
 ワクチン接種キャンペーンの初期には、カリスマ的なラビが発信した反ワクチンメッセージや誤った情報が、チラシやポスターなどで伝わっていた。そこでタスクフォースも、テレビ、スマートフォンやインターネットを見ることが禁じられている超正統派に有効な伝達手段として、雑誌、ニューズレター、チラシやポスター、電話ニュースホットラインなどを用いた。ヘブライ語やイディッシュ語(超正統派の日常言語)で「あなたがた自身くれぐれも気をつけなさい」(「申命記」4:15)20や「隣人の命に関わる偽証をしてはならない」(「レビ記」19:16)21など聖書の句を引用し22、ラビたちが顔写真入りで接種を呼びかけるポスターを掲示し23、ワクチン接種を受けた人々にピザを配布するなど24、さまざまな施策が行われた。超正統派を動かしたのは、接種をためらううちに新型コロナウイルスに感染し、4人の子供を残して亡くなった妊婦の実話という説もある25が、こうして2021年3月末日までに超正統派の20歳以上の74%、60歳以上の91%がワクチンを接種した。

(3)カトリック…中絶された胎児由来株を使用したワクチンへの懸念、公益重視


◆中絶された胎児に由来する細胞株を使用したワクチンの使用と教義

 世界で13億人26の信者を抱えるローマ・カトリック教会では、人工妊娠中絶は罪とされる。このため一部の司教が、開発・製造過程で中絶胎児の細胞が使われている新型コロナウイルスのワクチンについて、接種反対の立場を表明した 27
 ワクチンの一部には、2人の胎児から得られた組織に由来する細胞株が研究開発・製造過程で使用されている28。1973年に自然流産もしくは中絶された胎児から分離された腎臓細胞株、または1985年に中絶された胎児から分離された網膜細胞株に由来する細胞株である。いずれも当時入手した組織を実験室で培養したもので、ワクチン自体には胎児細胞株は含まれていない。また、ワクチン開発のために中絶されたものでもない。だが議論を呼んだ。
 中絶された胎児の細胞によって作成されたワクチンの倫理性について、ローマ教皇庁は2005年に声明29を出したが、2020年12月に改めて新型コロナウイルスのワクチンについての覚書を発表した30中絶によって得られたワクチンを接種することは、悪への間接的な協力にすぎず、代替できない場合には倫理的に許容されるとし、接種しなければ世界的感染拡大の危機を回避できないという今回の状況下では、中絶に反対するという前提で、接種してよいとした。ただし、「ワクチン接種の倫理性は、自身の健康維持の義務だけでなく、公益追求の義務に従うもの」であり、「中絶された胎児に由来する細胞株の使用を倫理的に認めるものではない」という基本姿勢も明示された。

◆ワクチン接種は他人の命にもかかわる問題
 このあとローマ教皇フランシスコは、2020年12月のクリスマスメッセージで、ワクチンを「希望の光」と表現し、世界中の弱く貧しい人にワクチンを行き渡らせるよう呼びかけた31。また、イタリアのテレビ局カナレ5で2021年1月10日に放送されたインタビューで、ワクチン接種に反対するのは「自滅的」なこと32、「倫理的な行動で、自分だけでなく、他人の命にもかかわってくる」と接種を呼びかけた33。バチカンでは1月13日からワクチン接種が始まり、ローマ教皇は1回目の接種をした。接種を完了したローマ教皇は3月にはイラクを訪れ、2019年11月の訪日以来、コロナ禍で控えていた外国訪問を再開した。
 ローマ教皇庁は2月8日に、ワクチン接種の拒否は「他人にリスクをもたらす可能性があり、公衆衛生へのリスクを深刻に高める可能性がある」として、職員が医療上の正当な理由なく接種を拒否した場合には解雇もあり得るとする法令を出した。ローマ教皇庁に勤務する約3000人が対象とみられた。だが批判を浴びたためか18日には、その法令はワクチン接種を望まない職員への懲罰が目的ではなく、「代替策」を提供するためのものという声明を発表した34
 また、2021年5月にローマ教皇は、新型コロナウイルスのワクチンが貧しい国々に行き渡っていないことを憂慮し、ワクチン生産拡大のために、製薬企業がもつ「特許の一時的な放棄」を支持するよう訴えた35。さらに9月には「人類とワクチンには友情の歴史があるのに(拒絶するのは)少し奇妙だ36と述べ、反ワクチン論者に疑問を投げかけた。
 さらにローマ教皇庁は9月20日、バチカン市国在住・在勤者と入国者に10月1日から新型コロナウイルスのワクチン接種完了、検査での陰性、コロナ既往歴などを証明する「グリーンパス」の携帯を義務化すると発表した37。ミサ参列については、ミサ時間に厳格に限定した例外が適用される予定というが、ワクチン接種を推進する姿勢が明白である。
 

(4)イスラム教…ワクチンへの懸念は豚由来の含有成分、生命保全を優先


◆豚由来の成分が含まれたワクチンの使用はハラムか
 イスラム教では、イスラム法(シャリーア)に基づいて法学者(ウラマー)がハラム(違法)か否かを判断し、イスラム共同体(ウンマ)の人々にファトワ(宗教見解)を示す。イスラム法の目的は、ガザーリーによれば、宗教、生命、子孫、理性、財産の5つを保全することである。
 イスラム教では、飲食物や医薬品など信者が摂取するものはハラル(合法)でなければならない。ワクチンに、イスラム教でハラムとされる豚に由来する成分が入っていないか、製造過程で用いていないか、が議論の焦点となった。ワクチンを製造したファイザー(米国)、モデルナ(米国)、アストラゼネカ(英国)の広報担当は、ワクチンに豚由来の成分は入っていないという38。だが、インドネシアのハラル認証機関は、アストラゼネカとシノファーム(中国)のワクチンには豚由来の成分が確認されたとした39。豚由来の成分が関わっているワクチンの接種について、イスラム法学者の見解は分かれている。だが、ハラムであっても自身や他者の「生命の保全」が優先される傾向がうかがえる。

◆国際イスラム法学アカデミー(IIFA)
 イスラム教徒を抱える56カ国とパレスチナが加盟するイスラム協力機構(OIC)は、世界に推計19憶人(2020年)40 とされるイスラム教徒をほぼ網羅している。その法学機関として1981年に設立されたIIFA(サウジアラビア・ジェッダ)は、2021年2月の会議で、現在の新型コロナウイルスのワクチンの成分と製造過程には豚やヒトに由来する成分は含まれておらず、イスラム法に基づいてワクチン接種を認める、と結論づけた41。さらに、政府が接種を義務化した場合には、公益を守るために推奨しているので、ワクチン接種は必須であるとした。会議では、世界中のイスラム教徒に、イスラム法の目的の一つである「生命の保全」のために、自国の政府や地域の保健当局の指示に従うよう呼びかけた。

◆インドネシア
 世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシア(人口約2.7憶人の86.7%がイスラム教徒42)では、2021年1月の接種開始数日前に、ハラル認証機関であるインドネシア・ウラマー評議会(MUI)がシノバック(中国)のワクチンをハラルと認定し、ジョコ大統領が第1号として接種をして、ワクチンの効果と安全性をアピールした43。だが、2月の世論調査では41%が「接種を拒否」と回答し、「ハラル製品しか接種しない」が82%に達した44
 MUIは3月に到着したアストラゼネカ(英国)のワクチンについて、製造過程で豚の成分が使われているためハラムだが、代替できるハラルなものが十分になく、緊急性を要するときに用いることは認めるとした45(アストラゼネカは、豚由来の成分は入っていないと反論している46)。アストラゼネカのワクチン接種第1号には、イスラム教徒が94%を占める東ジャワ州のイスラム指導者が選ばれた47。だが、東ジャワ州のイスラム学校長は、ハラムであるものを使用許可したことに反発し、同校教師1000人に接種を禁じた48
 MUIはまた、4月のラマダン(断食月)を前に、ワクチン接種は筋肉注射であるため水分の接種には当たらず、断食には反しないとのファトワを発した。さらに、断食をしている日中は体力が落ちて接種後に異変が起きる可能性があるとして夜間の接種を推奨した49
 インドネシアでは、感染者が多い(421.8万人、死者約14万人、10月3日時点)50。8月には世界の新型コロナウイルス感染症による死者の8人に1人が同国人だった51。だが接種完了者は13.3%(9月1日時点52)に過ぎなかった。
 ワクチン忌避の背景には、過去の問題がある。発端は2002年にサウジアラビアがイスラム教の聖地メッカへの巡礼者に髄膜炎のワクチン接種を義務化したことである53。インドネシアからの巡礼者はグラクソ・スミスクライン(英国)のワクチンを接種した。だが2009年にMUIは、豚由来の成分が含まれていてハラムであるとして、サウジアラビアに巡礼者への接種を強制しないよう要請しつつ、2010年にはノヴァルティス(スイス)とTian Yuana(中国)のワクチンをハラルと認定した54。だが、ノヴァルティスのワクチンも製造過程における豚由来の成分の使用が疑われ、ハラムである豚の入ったワクチンを接種したくないと巡礼を取りやめる人もいた55

◆エジプト
 エジプトでは、2020年12月にファトワを発するイスラム教最高権威機関「ダール・アル・イフタ」が、新型コロナウイルスのワクチンはハラルであるとし、ワクチン接種は国内居住者の宗教的義務であるとした。また、ワクチンに豚由来の成分が含まれていたとしても、製造の際の化学変化で豚の不浄なものが取り除かれるので、イスラム教徒が接種してもよいと許可した56

◆アラブ首長国連邦(UAE)
 ワクチンがハラルであるかについての関心の高まりと、マレーシアの宗教省大臣から助言を求められたことに対して、UAEのファトワ協議会は2020年12月に、生命の保全を目的とするイスラム法と、関連するイスラムの規範に則って、ワクチン接種を許可するファトワを出した。また、新型コロナウイルスが強力な感染症で、生涯続く後遺症や死をもたらし、ウイルスを防ぐ唯一の方法がワクチンであるということから、ワクチンにハラルでない成分が含まれていても、使用することができるとした57
 UAEの人口100人あたり累計接種回数は202.4回と、2位のチリ(166.8回)を引き離して世界第1位となっている(10月1日時点)58

◆サウジアラビア
 厳格なイスラム教スンニ派の大国であるサウジアラビアでは、人材社会開発省が2021年5月に公的・民間を問わず労働者にワクチンを義務化すると発表し59、8月1日から王国内のすべての施設への入館や公共交通機関の利用に免疫獲得(ワクチン接種もしくは感染症後の回復)が必須となった60
 また、2021年7月に行われたイスラム教の聖地メッカへの大巡礼は、2020年に引き続き、同国民と国内居住者に限定された。2020年は国内居住者1000人程度限定だったが61、2021年には、メッカへの巡礼者は新型コロナウイルスのワクチン接種完了者または抗体保有者で基礎疾患がない18~65歳とされ、人数は6万人に拡大された62

◆イラン
 イスラム教シーア派国家イランでは、宗教よりも政治が前面に出たようである。2021年1月に最高指導者ハメネイ師は、「米英ワクチンを信頼していない。米国人がワクチンを作れるのなら、米国でコロナ禍は起きていないはずだ63と米英ワクチンの輸入を禁じた。反米姿勢が明白なハメネイ師は2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大は「米国の生物兵器攻撃かもしれない」とツイッターに投稿している64。米国から経済制裁を受けているイランだが、ロシアや中国との関係は悪くない。2月にはロシア製ワクチン「スプートニクV」の接種が開始された65。とはいえ、2月時点で国際的なワクチン供給の仕組みであるCOVAXを通じてアストラゼネカ(英国)のワクチンの受け取りは決定済みで66 、4月には第1弾が到着した67。一方で国産ワクチン5種の開発が進められ68、6月には純国産ワクチンの緊急使用が承認され、ハメネイ師が接種した69
 イランでは8月1日の時点で接種完了者が人口約8300万人の3.3%と少なく、感染症の被害は中東では最も深刻だった(8月16日の保健省の発表では感染者が累計446.7万人、死者9万8483人)70。このため8月12日にイラン食品医薬品局は、米英企業が開発したワクチンであっても、米英以外で生産されたものは輸入可能と、方針転換を図った71
 

(5)英国国教会、チベット仏教、ロシア正教など


◆英国国教会
 英国国教会のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは2021年1月に、ロンドン市内の聖トーマス病院(ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染時に入院した病院)で、同病院チャプレンチームのボランティアの一員としてワクチンを接種した。その翌々日にはツイッターに「接種の案内が来たら、どうぞワクチンを接種してください。そして、われわれの安全を守るために尽力している国民保健サービス(NHS=英国の国営医療サービス)のスタッフたちをサポートするために、できる限りのことをしてください。機会が与えられたときにワクチンを接種することは、彼らの負担を減らすためにわれわれ皆ができることです」などと投稿してワクチン接種を呼びかけた。
 ワクチンの早期開発は「祈りに対する答え」であり、「この恐ろしいパンデミックからの回復の中心となるもの」として「イエス・キリストは私たちに、自分自身と同じように隣人を愛するよう招いています。ワクチン接種はこの戒めの一部です。私たちは、この恐ろしい病気から他者を守ることで、お互いに対する愛を示すことができるのです」と述べた72

◆チベット仏教
 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は、2021年3月にチベット亡命政府があるインドのダラムサラで、アストラゼネカ(英国)のワクチン接種を受けた。そして、「医師を含む信頼できる友人たちから接種すべきだと勧められた。深刻な問題と闘うため、接種はとても有効だ73と接種を呼びかけた。

◆ロシア
 ロシアは、世界に先駆けて2020年8月に同国製ワクチン「スプートニクV」の使用を臨床試験2カ月未満で承認した74。だがプーチン大統領は接種しておらず、安全性に疑念がつきまとっていた75。2021年3月下旬に国営テレビが接種キャンペーンに乗り出し、3月23日にはプーチン大統領も接種したと発表したが、その様子は非公開だった。供給の問題だけでなく、国民には政府への不信感もあり、接種完了者は2021年5月19日時点で約7%に過ぎなかった76
 2021年5月20日にロシア正教会は医学・生物学の専門家も交えてスレテンスカヤ神学アカデミーでワクチンと倫理問題について円卓会議を開き、医学を含めて新しい技術の使用には「個人の選択の自由を保護するという原則を一貫して遵守している」として、ワクチン接種を個人の選択に委ねる方針を発表した77。ただし、“ワクチン接種は反キリストの刻印”や“ワクチンを接種すると秘密裏にチップが埋め込まれる”などの陰謀論を広めることは容認できず、罪深いとした。また、中絶された胎児の細胞や臓器を病気治療に用いることを認めていないが、新型コロナウイルス感染症のため生命や健康が脅かされているなかで代替手段がない場合には、ヒト胎児細胞の培養物を用いて作製・実験したワクチンを使用することは中絶の罪に関与しないとした。
 陰謀論にも言及したのは、ロシア正教会(モスクワ総主教)下にあるモルドバ正教会の聖シノド(教会の最高権威の組織)が2020年5月に陰謀論に基づくワクチンへの懸念を表明したように、反ワクチン派の根拠でもあるからだろう。   
   旧ソ連のモルドバ共和国では、国民のほとんどがモルドバ正教会の信徒で、国民からの信頼も厚い。教会は声明で、「世界的な反キリスト教組織が、マイクロチップを人体に埋め込み、5G(第5世代移動通信システム)を通して制御したいと考えている」「ワクチン接種は、5Gで送信された電波に反応するナノ粒子を人体に埋め込み、組織が人を遠隔コントロールできるようにする」と主張した78
 話をロシアに戻そう。2021年6月に入って感染者が急増すると、モスクワ市は6月16日に、雇用主に8月半ばまでにサービス部門で働く従業員の60%以上のワクチン接種を終えるよう命じた(6月23日時点でロシアの接種完了者は人口の約11.4%)。未接種の従業員は出勤不可、給料不払いにする、と事実上の義務化をした79。このためワクチンの安全性に懐疑的な人々は、「接種をしたくない」という理由で退職した80
 2021年7月に新型コロナウイルスの感染者数が約564万人(死者約14万人)81に上ったロシアでは、ロシア正教会モスクワ総主教区の対外教会関係局長であるイラリオン府主教が国営テレビに出演し、ワクチン接種拒否者は「生涯償う必要のある罪」を犯している、「人々が聖職者を訪れ、自身や大切な人への接種を拒み、意に反して他者を死に追いやったと告白する場面を毎日見ている。罪とは他者でなく自分を思いやることだ」と述べてワクチン接種を呼びかけた 82
 ただし、政府と蜜月関係にあるロシア正教会でも、政府と歩調を合わせる中央部と、地方の高位聖職者や一般信者との間にはワクチン接種への態度に乖離がみられた。
 2021年7月1日にロシア北西部カレリア共和国のヴァラーム修道院にいる200人以上の修道士に、サッヴァ総主教庁行政官(ゼレノグラード主教)はワクチン接種を義務づける特別令を出し、接種を拒否した修道士は修道院から追放し、平信徒(一般信徒)にするとした。正教会当局は、7月3日を接種日としていたが、修道士は反発して一人も現れず、その日のうちに接種義務と追放の脅しを停止する声明を発表せざるを得なかった83
 8月初めには、ロシア極北にある世界遺産・ソロヴェツキー修道院の修道院長・ポルフィリ司教が、新型コロナウイルスの遺伝子ワクチンが人を遺伝的に変化させ、人がなぞらえて創られた「神のイコン(像)」を損なう可能性があり、身体的な健康だけでなく、永遠の救済も脅かされる可能性があると説教した84。この発言をロシア正教会キリル総主教(モスクワ総主教)は公けに謝罪させた。そのポルフィリ司教は新型コロナウイルス感染症にかかって8月14日から修道院の部屋に隔離され、夏の伝統だったソロヴェツキー修道院へのキリル総主教の訪問が中止され、キリル総主教だけでなく、ロシア正教会聖職者の過剰な否定主義に不満をもっていたプーチン大統領のさらなる怒りを買った85。 

*

まだ新型コロナウイルス感染症は終息せず、追加接種の実施などワクチンについての問題は現在進行形で続いている。懸念されたようなワクチンの長期的な安全性についての問題が発生するとしたら、相当先のことになる。この問題については、引き続き、追っていく予定である。
 

(宗教情報センター 藤山みどり)

【10月11日補追】
・9月14日、米連邦裁判所判事は、ニューヨーク州保健局が8月に、9月27日までに医療従事者にワクチン接種を義務化したことに対して、医療従事者が宗教上の理由から免除を主張した場合、義務化を一時的に差し止める仮処分命令を出した。宗教上の理由から接種に反対するカトリックとバプテストの医療関係者17人が起こしていた訴訟に対する判決。
 Artemis Moshtaghian, Madeline Holcombe and Amir Vera,“Judge suspends NY state vaccine mandate for health care workers who claim religious exemption”Sep. 15, 2021.CNN
https://edition.cnn.com/2021/09/14/us/new-york-covid-vaccine-mandate-lawsuit/index.html

 


  1. [1] “COVID-19 vaccination mandatory to enter government, private entities as of Sunday”
    July 31, 2021.Saudi Gazette.
    https://saudigazette.com.sa/article/609340/SAUDI-ARABIA/COVID-19-vaccination-mandatory-to-enter-government-private-entities-as-of-Sunday
  2. [2]  米ユナイテッド航空は、8月初めに米国内の従業員(約6万7000人)に接種を義務化し、接種免除が医療上の理由ならば病気休暇、宗教上の理由ならば無給休暇とし、どちらの理由にも該当しない場合は解雇と表明していた。従業員の3%弱(約2000人)が接種免除を申請し、免除申請中の従業員6人が連邦裁判所に提訴した。9月初めには、宗教上の理由から新型コロナウイルスワクチンの接種を免除された従業員に10月2日から無給休暇になると通知した。
    「米ユナイテッド、宗教上の理由でワクチン免除の従業員を無給休暇に」ロイター2021年9月19日https://jp.reuters.com/article/united-arlns-vaccine-idJPKBN2G501K
    「ワクチン義務違反、対象者の1%未満 米ユナイテッド航空」CNN 2021年9月29日
    https://www.cnn.co.jp/business/35177280.html
  3. [3]「新型コロナワクチン接種完了者への追加接種、各国で段階的に拡大」ジェトロ2021年9月7日
    https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/09/781f66e24e04a24f.html
  4. [4] “A Christian Science perspective on vaccination and public health” CHRISTIAN SCIENCE.
    https://www.christianscience.com/press-room/a-christian-science-perspective-on-vaccination-and-public-health
  5. [5] Mark Kreidler “‘Religious’ Exemptions Add Legal Thorns to Looming Vaccine Mandates
    Sep.9, 2021. Kaiser Health News.
    https://khn.org/news/article/religious-exemptions-add-legal-thorns-to-looming-vaccine-mandates/ 
               
  6. [6] Mark Kreidler “‘Religious’ Exemptions Add Legal Thorns to Looming Vaccine Mandates
    Sep.9, 2021. Kaiser Health News.
    https://khn.org/news/article/religious-exemptions-add-legal-thorns-to-looming-vaccine-mandates/ 
  7. [7] “Will Evangelical Leaders Receive the COVID-19 Vaccine?” 
    Jan/Feb 2021.National Association of Evangelicals. 
    https://www.nae.org/evangelical-leaders-covid-19-vaccine/
  8. [8] Liz Hamel, Lunna Lopes, Audrey Kearney, Mollyann Brodie.
    “KFF COVID-19 Vaccine Monitor March 2021” Mar. 30, 2021.
    https://www.kff.org/coronavirus-covid-19/poll-finding/kff-covid-19-vaccine-monitor-march-2021/
  9. [9] “PRRI IFYC COVID Vaccine Religion Report”
    https://ifyc.org/prri-ifyc-covid-vaccine-religion-report
  10. [10]福音派の白人では、礼拝に頻繁に出席する人のほうがあまり出席しない人よりも受容層が少なかった。
  11. [11]  Qアノン陰謀論に概ね賛成でワクチン接種に躊躇する人の36%は、1つ以上の信仰に基づくアプローチがあれば、少しはワクチンを接種する可能性が高くなると回答している。
  12. [12]  たとえば、ルイジアナ州バトンルージュでの新型コロナ感染防止の規制に抗議して有名になったトニー・スペル牧師。「キリスト教福音派に広がる反ワクチンの風潮、不信感と誤情報が原因と専門家」CNN 2021年4月17日 https://www.cnn.co.jp/usa/35169433.html
  13. [13] “What Does Jewish Law Say About Vaccination?” Chabad.org https://www.chabad.org/library/article_cdo/aid/2870103/jewish/What-Does-Jewish-Law-Say-About-Vaccination.htm
  14. [14] Philip Marcelo “Anti-vaccine rabbi dismissed by Jewish organization” Feb.5,2021.AP News.
    https://apnews.com/article/public-health-massachusetts-coronavirus-pandemic-e5c24eb21e09fd4b9af3f047c8c0fb7d
  15. [15]  Shira Hanau/Jta “Orthodox rabbis urge Jews to take COVID vaccine ahead of Rosh Hashanah” Sep.3, 2021. The Jerusalem Post. 
    https://www.jpost.com/health-and-wellness/coronavirus/orthodox-rabbis-urge-jews-to-take-covid-vaccine-ahead-of-rosh-hashanah-678604
  16. [16]Sandy Rashty “More than 70 Jewish doctors say ‘no evidence’ Covid vaccine causes infertility” Dec. 31, 2020, Jewish News. https://jewishnews.timesofisrael.com/jewish-doctors-say-absolutely-no-evidence-covid-19-vaccine-causes-infertility/
  17. [17]「感染拡大、規制違反横行 イスラエル、10%の宗派『超正統派』」『東京新聞』2021年1月31日
  18. [18] 2020年8月に「超正統派」と「アラブ人」、その後、「一般」に焦点を当てたタスクフォースが設立された。
    Bruce Rosen, Ruth Waitzberg, Avi Israeli, Michael Hartal & Nadav Davidovitch. 
    “Addressing vaccine hesitancy and access barriers to achieve persistent progress in Israel’s COVID-19 vaccination program”
    Israel Journal of Health Policy Research volume 10, Article number: 43 (2021). Aug. 2, 2021.
    https://ijhpr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13584-021-00481-x
  19. [19]Prof. Tamar Hermann, Dr. Or Anabi “Haredim Trust Rabbis More Than the Health Ministry on COVID-19” Nov. 26, 2020. The Israel Democracy Institute.
    https://en.idi.org.il/articles/32950

     
  20. [20]日本聖書協会『聖書 新共同訳』「申命記」4章15節
  21. [21]日本聖書協会『聖書 新共同訳』「レビ記」19章16節
  22. [22]Bruce Rosen, Ruth Waitzberg, Avi Israeli, Michael Hartal & Nadav Davidovitch. 
    “Addressing vaccine hesitancy and access barriers to achieve persistent progress in Israel’s COVID-19 vaccination program”
    Israel Journal of Health Policy Research volume 10, Article number: 43 (2021). Aug. 2, 2021.
    https://ijhpr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13584-021-00481-x
  23. [23]Daniel Estrin “How Israel Persuaded Reluctant Ultra-Orthodox Jews To Get Vaccinated Against COVID-19” Apr. 22, 2021. National Public Radio. 
    https://www.npr.org/2021/04/22/988812635/how-israel-persuaded-reluctant-ultra-orthodox-jews-to-get-vaccinated-against-cov
  24. [24]「コロナワクチン接種後はピザをどうぞ イスラエル」2021年2月17日 AFP BBNews https://www.afpbb.com/articles/-/3331992
  25. [25]  Daniel Estrin “How Israel Persuaded Reluctant Ultra-Orthodox Jews To Get Vaccinated Against COVID-19” Apr. 22, 2021. National Public Radio. 
    https://www.npr.org/2021/04/22/988812635/how-israel-persuaded-reluctant-ultra-orthodox-jews-to-get-vaccinated-against-cov
  26. [26]2018年末の数値。バチカンの統計。
  27. [27]「バチカン、中絶胎児由来の細胞株使ったワクチン接種を容認」
    2020.12.22 CNN https://www.cnn.co.jp/world/35164214.html
  28. [28] 「COVID-19 ワクチン及び胎児細胞株」米国ロサンゼルス郡公衆衛生局2021年4月20日
    ※この資料では、ファイザーとモデルナが製造するワクチンは、ワクチンを製造するために胎児細胞培養を使用する必要はないが、ジョンソン&ジョンソンのワクチンは、1985年の胎児細胞株を使用していると書かれている。なお、同資料では、開発中のワクチンについては、David Prentice, Ph.D.  Sep.30, 2020/Updated Jun.2,2021 “COVID-19 Vaccine Candidates and Abortion-Derived Cell Lines” The Charlotte Lozier Institute(https://lozierinstitute.org/update-covid-19-vaccine-candidates-and-abortion-derived-cell-lines/)を参照するよう示している。これによるとアストラゼネカのワクチンは研究開発と製造過程で胎児細胞を使用しており、ファイザーとモデルナのワクチンは研究開発と製造過程では使用していないが、確認臨床試験の一部で使用している。
  29. [29] 教皇庁生命アカデミー「中絶された人間の胎児の細胞によって作成されたワクチンの倫理性に関する考察(2005年6月5日)」
  30. [30] ローマ教皇庁教理省「いくつかの抗Covid-19ワクチン使用の倫理性に関する覚え書き」2020年12月21日
    「バチカン、中絶胎児由来の細胞株使ったワクチン接種を容認」CNN 2020年12月22日https://www.cnn.co.jp/world/35164214.html
  31. [31]「教皇フランシスコ、降誕祭メッセージ(ローマと全世界へ)」カトリック中央協議会2020年12月25日
  32. [32]「ローマ教皇、コロナワクチン接種へ 英女王夫妻は接種済み」
    2021年1月10日 AFP BBNews https://www.afpbb.com/articles/-/3325446
  33. [33]「ローマ教皇がワクチン接種、他人の命を守るためにも重要」『日本経済新聞』電子版2021年1月15日
  34. [34]“Vatican: No punishment for those who refuse Covid-19 vaccine” Feb.19, 2021, Vatican News. https://www.vaticannews.va/en/vatican-city/news/2021-02/vatican-healthcare-coronavirus-vaccine-employees.html
    Inés San Martín“Vatican makes COVID vaccine mandatory for employees” Feb.18, 2021,Crux Catholic Media. https://cruxnow.com/vatican/2021/02/vatican-makes-covid-vaccine-mandatory-for-employees/
    ※これによると、法令は2月8日に署名され、18日にバチカン市国のサイトに掲載された。また、バチカンの従業員は約3000人。
    「ワクチン接種 拒否すれば解雇も バチカン」AFP BB News 2021年2月19日 
    ※これによると、バチカンの従業員は約5000人。
    「バチカンが釈明、ワクチン接種拒否への解雇法令に批判集まる」ロイター 2021年2月19日
    https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vaccine-vatican-idJPKBN2AJ0O5

     
  35. [35]「ローマ教皇が特許放棄支持」『しんぶん赤旗』2021年5月10日
    「教皇、全世界に訴える ワクチン特許放棄の支持 利益より公衆衛生優先を」『カトリック新聞』2021年5月23日
    Fr. Benedict Mayaki, SJ“Pope to VAX Live: “We need light and hope, paths of healing and salvation" May 8,2021.Vatican News.
    https://www.vaticannews.va/en/pope/news/2021-05/pope-francis-vax-live-concert-coronavirus-healing-videomessage.html
  36. [36]「ローマ教皇、反ワクチン論に疑問」共同通信社 2021年9月16日
    https://nordot.app/811036886260514816?c=39546741839462401
  37. [37]「バチカン市国へのアクセス、10月1日より『グリーンパス』必要に」バチカン・ニュース2021年 9月 21日https://www.vaticannews.va/ja/pope/news/2021-09/dal-1-ottobre-accesso-in-vaticano-con-green-pass.html
  38. [38]“Egypt’s Dar al-Iftaa steps in debate over pig derivatives in COVID-19 vaccine” Dec.22,2020. Egypt Independent. 
    https://egyptindependent.com/egypts-dar-al-iftaa-steps-in-debate-over-pig-derivatives-in-covid-19-vaccine/
  39. [39]「インドネシア国内における使用ワクチンに関する情報まとめ(7月19日時点) 在インドネシア日本国大使館まとめ」によると、4月にインドネシアが緊急使用を容認したシノファーム(中国)も豚由来成分が確認されたが、MUIがイスラム教徒でも接種可能と公表している。https://www.id.emb-japan.go.jp/vaccine_20210719.pdf
  40. [40]“The Future of the Global Muslim Population ” Jan.27, 2011. Pew Research Center.
    https://www.pewforum.org/2011/01/27/the-future-of-the-global-muslim-population/

     
  41. [41] “Final Statement and Recommendations of the Medical Fiqh Symposium: Shariah Rulings regarding the Use of Covid-19 Vaccines, their Purchase and the Financing of their Distribution with Zakat funds” Feb.22, 2021.IIFA.
    https://www.iifa-aifi.org/wp-content/uploads/2021/03/IIFA-Symposium-on-Anti-Covid-19-Vaccines-Feb-2021-3.pdf
  42. [42] 外務省「インドネシア共和国基礎データ」人口は2020年、インドネシア政府統計。宗教比率は2019年、宗教省統計。https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/data.html
  43. [43]「インドネシア ワクチン接種」『朝日新聞』2021年1月14日
    “Indonesian clerics declare Sinovac's COVID-19 vaccine halal”Jan.8,2021.Reuters.https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-indonesia-vaccine-idUSKBN29D16U
  44. [44]「英製ワクチンは『非イスラム』接種加速へ難題―インドネシア」時事通信社2021年4月14日https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041301009&g=int
  45. [45]「英製ワクチンは『非イスラム』接種加速へ難題―インドネシア」時事通信社2021年4月14日https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041301009&g=int
    Nivell Rayda “AstraZeneca COVID-19 vaccine is ‘haram’, but permissible due to urgent situation: Indonesia Islamic body” Mar.19,2021,Channel News Asia.
    https://www.channelnewsasia.com/asia/indonesia-astrazeneca-covid-19-vaccine-haram-permissible-islam-267141
  46. [46]“AstraZeneca counters Indonesian Muslim concerns over COVID-19 vaccine”
    Mar. 21, 2021,Reuters, https://www.reuters.com/article/idUSKBN2BD02X
  47. [47]「英製ワクチンは『非イスラム』接種加速へ難題―インドネシア」時事通信社2021年4月14日https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041301009&g=int
  48. [48]「英製ワクチンは『非イスラム』接種加速へ難題―インドネシア」時事通信社2021年4月14日https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041301009&g=int
  49. [49]「夜間接種を推奨 イスラム各国 断食月、体力に配慮」『日本経済新聞』2021年4月6日
  50. [50]「世界の新型コロナウイルス感染者数(3日現在)」※米ジョンズ・ホプキンズ大の集計による『東京新聞』2021年10月4日
  51. [51]「世界のコロナ死者の8人に1人がインドネシア国」『ニューズウィーク日本版』
    2021年8月23日https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/08/post-96962.php
  52. [52] Our World in Dataの集計。10月2日時点では18.9%。 
    https://ourworldindata.org/covid-vaccinations?country=IDN
  53. [53]Omar Sacirbey “Pork-free vaccine wins cheers from some Hajj pilgrims” Oct.18, 2012.The Washington Post.
    https://www.washingtonpost.com/national/on-faith/pork-free-vaccine-wins-cheers-from-some-hajj-pilgrims/2012/10/18/1af743f2-1960-11e2-ad4a-e5a958b60a1e_story.html
  54. [54] “Indonesian clerics ask Saudi to drop hajj vaccine” Jun.8,2009. Al Arabiya News. https://english.alarabiya.net/articles/2009%2F06%2F08%2F75297
    ※グラクソ・スミスクラインも、初期の製造過程では豚由来の成分を使用しているが最終製品には含まれていないと反論している。
    “Two brands of meningitis vaccine halal, says MUI” Jul.20, 2010. The Jakarta Post. https://www.thejakartapost.com/news/2010/07/20/two-brands-meningitis-vaccine-halal-says-mui.html
  55. [55] Omar Sacirbey “Pork-free vaccine wins cheers from some Hajj pilgrims” Oct.18, 2012.The Washington Post.
    https://www.washingtonpost.com/national/on-faith/pork-free-vaccine-wins-cheers-from-some-hajj-pilgrims/2012/10/18/1af743f2-1960-11e2-ad4a-e5a958b60a1e_story.html
  56. [56]“Egypt’s Dar al-Iftaa steps in debate over pig derivatives in COVID-19 vaccine”
    Dec. 22, 2020. Egypt Independent.
    https://egyptindependent.com/egypts-dar-al-iftaa-steps-in-debate-over-pig-derivatives-in-covid-19-vaccine/
    “Egypt and United Arab Emirates: COVID-19 Vaccine Ruled Permissible under Islamic Law”Jan. 22, 2021. Library of Congress. https://www.loc.gov/item/global-legal-monitor/2021-01-22/egypt-and-united-arab-emirates-covid-19-vaccine-ruled-permissible-under-islamic-law/
  57. [57]  “It’s permissible to use coronavirus vaccines, rules UAE Fatwa Council”
    Dec. 22, 2020. SaudiGazette. https://saudigazette.com.sa/article/601727
    “Egypt and United Arab Emirates: COVID-19 Vaccine Ruled Permissible under Islamic Law”Jan. 22, 2021. Library of Congress. https://www.loc.gov/item/global-legal-monitor/2021-01-22/egypt-and-united-arab-emirates-covid-19-vaccine-ruled-permissible-under-islamic-law/
  58. [58] 日本経済新聞社と英フィナンシャル・タイムズの集計。 https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/
  59. [59] “Saudi to make COVID-19 vaccinations mandatory for all workers” May 7, 2021,
    Reuters.
    https://www.reuters.com/world/middle-east/saudi-make-covid-19-vaccinations-mandatory-all-workers-2021-05-07/
  60. [60] “COVID-19 vaccination mandatory to enter government, private entities as of Sunday”
    Jul. 31, 2021.Saudi Gazette. https://saudigazette.com.sa/article/609340/SAUDI-ARABIA/COVID-19-vaccination-mandatory-to-enter-government-private-entities-as-of-Sunday
    「ジェトロ ビジネス短信 ワクチン接種証明の提示義務化の動き広がる」『ビジネス短信』添付資料」ジェトロ2021年8月6日
  61. [61]「大巡礼、ワクチン必須 サウジ 経済よりコロナ対応」『毎日新聞』2021年3月27日
  62. [62]「サウジ大巡礼『ハッジ』、今年も国内在住者に限定 コロナ情勢で」ロイター2021年6月14日https://jp.reuters.com/article/saudi-haj-idJPKCN2DQ023
  63. [63]「イランが米英製コロナワクチン輸入禁止、『信頼できず』」ロイター2021年1月8日 
    https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-iran-idJPKBN29D172
  64. [64]「世界の街 海外リポート カイロ コロナ対策にも『神』」『東京新聞』2020年6月9日
  65. [65]「イラン、ワクチン接種開始 ロシア製、国産開発も加速」時事通信社2021年2月9日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020901113&g=int
  66. [66]「イラン、ワクチン接種開始 ロシア製、国産開発も加速」時事通信社2021年2月9日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020901113&g=int
  67. [67] “Iran Receives First Delivery of COVID-19 Vaccines through COVAX Facility”Apr.5, 2021.UNICEF.
    https://www.unicef.org/iran/en/press-releases/iran-receives-first-delivery-covid-19-vaccines-through-covax-facility
  68. [68]「反骨のペルシャ 制裁下のイランは今(下)国産ワクチン5種 開発中 制裁で医療向上 国民の危機に奮起/接種遅れに不満も」『東京新聞』2021年6月28日
  69. [69]「新型コロナ イラン指導者が国産接種受ける 米英製は禁止表明」『毎日新聞』2021年6月28日
  70. [70]「イランのコロナ新規感染者、過去最多の655人に=国営テレビ」2021年8月17日ロイター https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-iran-idJPKBN2FI07L
  71. [71]「米ワクチン『輸入可能』コロナ急拡大にイラン」共同通信社2021年8月13日
    https://nordot.app/798707738206699520?c=39546741839462401
  72. [72]「『ワクチン接種は隣人愛の一部』 カンタベリー大主教がコロナワクチン接種」
    2021年1月21日CHRISTIAN TODAY
    https://www.christiantoday.co.jp/articles/29021/20210121/archbishop-of-canterbury-vaccinated-against-covid-19.htm
    “Archbishop of Canterbury receives Covid-19 vaccine as hospital chaplaincy volunteer”
    Jan.18, 2021. Anglican Communion News Service.
    https://www.anglicannews.org/news/2021/01/archbishop-of-canterbury-receives-covid-19-vaccine-as-hospital-chaplaincy-volunteer.aspx.

     

     


     
  73. [73]「ダライ・ラマがワクチン接種」時事通信社2021年3月6日
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021030600521&g=int
  74. [74]「プーチン大統領、ロシア製ワクチンに使用認可 欧米は懐疑的」BBC News 2020年8月12日 https://www.bbc.com/japanese/53746782
  75. [75]「ロシア、『世界初』ワクチン売り込み 安全性に疑念も―新型コロナ」時事通信社2021年4月15日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120300708&g=int
  76. [76]メアリー・エレン・カグナソラ「「『接種すれば現金給付』それでもロシア国民が、自国産ワクチンを信じない訳」NewsWeek日本版 2021年6月15日  https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/v-5.php
  77. [77] “Russian church vaccine round table: Not a sin to receive Covid vaccine” May 21, 2021.Orthdox Christianity.https://orthochristian.com/139444.html
    Alexander Agadjanian, “Resistance or Submission? Reactions to the COVID-19 Pandemic in the Russian Orthodox Church Scott Kenworthy“August 19, 2021.Berkley Center of Religion,Peace &World Affairs. Georgetown University. 
    https://berkleycenter.georgetown.edu/responses/resistance-or-submission-reactions-to-the-covid-19-pandemic-in-the-russian-orthodox-church
    円卓会議の最終文書「ワクチン接種:正教会の教義に照らした倫理的側面」 2021年5月20日http://www.patriarchia.ru/db/text/5811676.html Russian Orthdox Church.
    ※他資料での言及部分を基本とし、ロシア語原文を自動翻訳で参照。
  78. [78]“Russian church vaccine round table: Not a sin to receive Covid vaccine” May 21, 2021.Orthdox Christianity.https://orthochristian.com/139444.html
    Madalin Necsutu“Moldovan Church Denounces COVID Vaccine as Anti-Christian Plot” May 20, 2020.Balkan Insight.
    https://balkaninsight.com/2020/05/20/moldovan-church-denounces-covid-vaccine-as-anti-christian-plot/
  79. [79] 石橋亮介「ワクチン拒めば無給?コロナ猛威のロシア、接種強制も 新型コロナウイルス」
    朝日新聞デジタル 2021年6月27日https://www.asahi.com/articles/ASP6V7RXDP6TUHBI03S.html
    「感染者増加を受けモスクワやサンクトペテルブルクで追加制限措置(ロシア)」ジェエトロ 2021年6月21日https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/06/34f7db832ef92bb2.html
  80. [80]Rebecca Klapper “Russian Mandate for COVID Vaccines in Some Sectors Boosts Number of People Getting Shots” Jul.15,2021.Newsweek. https://www.newsweek.com/russian-mandate-covid-vaccines-some-sectors-boosts-number-people-getting-shots-1610080
    ※モスクワ近郊で小売店を展開している、あるチーズ製造業では、250人の従業員のうち7割がワクチンを接種したが、10人が退職。創業者は1割が退職すると見込んでいる。
  81. [81]※政府専門チームによる累計。連邦統計局が発表した別の集計では、2020年4月から2021年4月までのコロナ関連の死者は約27万人。
    「『拒否は罪』、ロシア正教会が信者にコロナワクチン接種呼び掛け」ロイター2021年7月6日 
    https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-russia-cases-idJPKCN2EC0ER
  82. [82]「『拒否は罪』、ロシア正教会が信者にコロナワクチン接種呼び掛け」ロイター2021年7月6日 
    https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-russia-cases-idJPKCN2EC0ER
    “Vaccinate or repent, Russian church says amid hundreds of daily COVID-19 deaths” Jul.5, 2021.Reuters.https://www.reuters.com/world/europe/vaccinate-or-repent-russian-church-says-amid-hundreds-daily-covid-19-deaths-2021-07-05/
  83. [83] Vladimir Rozanskij ,“The Russian Church caught between science and denial”
    July5,2021.AsiaNews.
    http://www.asianews.it/news-en/The-Russian-Church-caught-between-science-and-denial-53568.html
  84. [84]Alexander Agadjanian, “Resistance or Submission? Reactions to the COVID-19 Pandemic in the Russian Orthodox Church Scott Kenworthy“August 19, 2021.Berkley Center of Religion,Peace &World Affairs. Georgetown University. 
    https://berkleycenter.georgetown.edu/responses/resistance-or-submission-reactions-to-the-covid-19-pandemic-in-the-russian-orthodox-church
  85. [85] Vladimir Rozanskij, “Solovki: no-vax igumen tests positive for Covid, Kirill cancels pilgrimage” Aug.19,2021.AsiaNews.
    http://www.asianews.it/news-en/Solovki:-no-vax-igumen-tests-positive-for-Covid,-Kirill-cancels-pilgrimage-53863.html