文字サイズ: 標準

平成19年度第4回たいし塾レジュメ「戒律の現代的意義」

2007/04/06

PDFのタイトル
平成19年度第4回たいし塾レジュメ「戒律の現代的意義」
PDFのURL
/files/user/activities/download/01/kz001.pdf
執筆者
佐藤直実
「戒」は悟りを得るために守るべき習慣である。すなわち、自発的に守るべきものであり、罰則はない。それに対し、「律」は、具体的には教団員が集団生活を営む上で守るべき規則集である。したがって、違反があった場合には罰則が科せられる。
 もっとも、戒の中には、「生き物を殺さない」「盗まない」などのように律にも規定されるものが多いので、結果的に罰則を伴うことになる。このように、律には、戒に基づくものと、当時の社会常識に基づくものの2種類があり、前者は変更不可であるが、後者は時代や地域によって変わりうるものである。
 また、戒律は、それぞれ、現代における「倫理観、道徳観」と「憲法、法律」などのルールに比すことができる。前者は、人間性の向上のためであり、戒同様に守る守らないは、個人の自由である。それに対し、後者の方は、守らなければ社会システムが機能しなくなるため、違反者には罰が与えられることになる。
 受け継がれるべきルールとそうでないものの判別が肝要と考える。