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宗教情報PickUp

テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

 2015年1月20日、「イスラーム国」が日本人2人を人質に2億ドルを要求する事件が発生し、2月1日までに2人とも殺害されるという最悪の結果になりました。この件につきましては、謹んで哀悼の意を表明いたします。今回のコラムは、この事件が起きる前に、イスラーム研究が専門で、シリアとサウジアラビアでの調査経験もおありの高尾賢一郎先生にお聞きしていたものです。

 「イスラーム国」については、中東の一部地域を実効支配する過激主義集団という報道が多く見られます。「イスラーム国」が「国家」、あるいは「イスラーム」という宗教の典型と受け取られないように、「ISIL(イラクとレバントのイスラーム国)」と呼ぶ動きも出ています。その残虐な行動を「イスラーム」と同一視してはいけないとの判断から、ともすれば宗教集団としての「イスラーム国」の側面が見落とされがちかもしれません。そこで、過激主義集団としての側面ではなく、宗教的観点から「イスラーム国」の性格に注目してみました。

 今回の人質事件の展開に、私たちは強い衝撃を受け、悲しみ、公開を見合わせることも考えました。しかし「イスラーム国」を多面的に知ることも、今後のために欠かせないと思われます。このような点をご了承のうえ、お読みいただけると幸いです。

第25回 「宗教」的観点から見た「イスラーム国」とは?
参考
高尾賢一郎先生