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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

SHISEIDO presents エコの作法~明日の美しい生き方へ~ 「繋げる×出雲大社」

2013/07/05 (Fri) 22:00~22:54 BS朝日
キーワード
遷宮、伝統技術、出雲神話、風習
参考
番組公式
 この番組では、私たち日本人が忘れがちな、自然や人に対する奥ゆかしい日本の心を、外国人ナビゲーターの助けを得ながら見つめなおす。今回、ナビゲーターには、詩人・アーサー・ビナード氏を迎え、縁結びや神話として名高い「出雲」に息づく美の心を探る。出雲の地に紡がれた出雲神話や今もなお続く古代の技術をとりあげ、美の心を探っていくが、途中、要所要所において日本語と英語の両方で、要旨を一文にまとめている。今回は二つ。これらはHPにも載っている。
 一つ目は、「先人の手仕事をほぐし、技を繋ぐ」。
 目に見えない世界(縁)を司るとされる出雲大社は、今年、60年に一度の遷宮の年を迎える。出雲大社の遷宮とは、御本殿の傷んだ部分に施される大規模な修理のことで、今の職人たちが、建物を一つ一つ解体・修理しながら先人の技術と想いを確認し、未来の世代に繋げるのである。また遷宮を行うことで一旦途絶えた技術が再発見されることもある。過去に学び、未来に挑戦することで、いまが生まれるのだとして、番組は一度まとめる。
 二つ目は、「神の里で、自然と文明を繋ぐ」。
 出雲において剣とは、出雲の神話として有名な八岐大蛇の伝説と深い関係があり、出雲大社の遷座祭で威儀物として奉納されるほど、昔から特別なものであった。出雲では、今もなお伝統的な製鉄技術による刀作りが守られている。また、製鉄の過程で切り崩した山のあとには、美しい棚田が作られている。砂鉄を採るために作った水路をそのまま活かすことで、自然を蘇らせ、自然との調和を実現していた。
 古くから伝わる風習や神事が人々の生活に根付いている出雲。そこには、大切なものを次の世代に残そうとする人々の取組みに心があった。それは、残すこととはつまり、生かすこと。昔の技術も毎日の生活や仕事に活かすことが必要であり、古代の知恵と未来を繋げるよう、今を大切に生きることが大事であると、番組は総括する。

出雲大社公式サイト
http://www.izumooyashiro.or.jp/