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100分de名著 般若心経 第2回「世界は“空”である」

2013/01/16 (Wed) 23:00~23:25 NHK Eテレ
キーワード
般若心経、大乗仏教、色即是空、菩薩、読経
参考
番組公式
第2回「空」
 般若心経における核心の思想である「空」に迫る。空という言葉を聞くと「何もない。空っぽ」というイメージを持ちがちであるが、般若心経で説かれている「空」はそのようなものではない。佐々木教授によれば「空」とは言葉では言い表せず、人に伝えることもできない「全ての現象を統括するひとつの法則」のようなものであるという。太陽が東から昇り西へ沈む、人が老いて死んでいくといった移りゆく世界も空の中から表れる現象なのだ。
般若心経には「色即是空 空即是色」という言葉がある。私たちは空が生み出す連続した世界の中を生きている。その世界の中で、ある瞬間を残したいと思えば、写真や絵画のような芸術につながり、また空という法則の一掴みを研究すれば、物理学や科学となる。このように「色即是空 空即是色」はあらゆる文化の構図に存在する。「空というものに触れたときの驚きやわくわく感が発見の喜び、物を作る喜びの原動力となる」と佐々木先生は語る。
また、般若心経の中にたびたび登場する舎利子という言葉に関係して、般若心経の成り立ちが紹介される。般若心経は釈迦が山で瞑想に入った時、側にいた観自在菩薩が舎利子に向けて説いたというシチュエーションのもと作られている。修行者である菩薩が説くことで、在家の人々にも経典の意味が伝わりやすくなるだろうということで、釈迦ではなく観自在菩薩が般若心経を説いたとしたのだという。