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日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

アジア神秘紀行 「王朝遺跡の幻想祭り~タイ・スコータイ~」

2012/03/23 (Fri) 21:00~21:54 BS朝日
キーワード
タイ スコータイ朝 仏像 上座部仏教 世界遺産 灯籠流し 伝統文化
参考
番組公式
 タイ北部の都市スコータイでは毎年、水の神に感謝の祈りを捧げ、灯籠を流すロイ・クラトンという祭りが行われる。番組では、そのような仏教と共に育まれたスコータイの文化や、ロイ・クラトンの祭の様子を取り上げる。
 ロイ・クラトンはタイ初の王朝、スコータイ朝(1200年代~1438年)が興った時代に始まった、700年間続く祭である。スコータイにはロイ・クラトンだけでなく、世界文化遺産に指定された仏像、仏塔を含んだ遺跡群など、スコータイ朝時代の文化が色濃く残っている。
 前半はスコータイの文化に注目する。13世紀の文化が今でも色褪せない背景にはスコータイ朝三代目の王、ラムカムヘーン大王の功績があると番組では語られている。
ラムカムヘーン大王は文字を制定すると共に、上座部仏教を民衆に伝え、王朝の最盛期を築いたという。スコータイ朝時代に築かれた仏像の一つにアチャナ仏がある。アチャナ仏は煉瓦と漆喰で作られた約14mの仏像で、“アチャナ”は畏れないものを意味する。仏像は優美な微笑を浮かべており、現地の芸術局職員は「その表情からは当時の豊かさと平和さが窺える」と話す。
 後半にはロイ・クラトンの祭の様子や、人々の灯籠に込める願いに焦点を当てている。
 スコータイ朝時代から伝わるサンカロークという陶器を作る職人夫妻は「今年一年の良くなかったことを全て水に流して欲しい」と語りながら灯籠を流す。
 番組は「豊かで平和な理想の国は遺跡に姿を変えた。しかし、古の人々の思いは滅びることなく、今を生きる人々に受け継いでいる」と最後をまとめている。