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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!
超常現象SPマル秘Xファイル~地球最大のオカルト決戦

2010/12/22(水)19:00~20:55 テレビ朝日
キーワード
UFO・心霊・超能力・UMA(=未確認動物)
参考
番組公式
 当番組は毎年末に放送される、心霊、UMA 、超能力、UFOなどを取り上げる番組で、今回で13回目を迎えた。これらの現象のVTRを見た後に肯定派と否定派に分かれて議論を行う形式である。

 最初は心霊映像のベスト5が取り上げられ、これらの映像に関する噂話や自称・心霊研究家の見解などが紹介されたが、映像や映像に関する情報の出所などは一切明かされなかった。興味深いことにスタジオの肯定派の専門家たちも「これらは合成の可能性が高い」と認めていた。いずれにせよ、視聴者の恐怖感を煽り立てるだけのもののようだった。
 次のコーナーでは、UMA(Unidentified Mysterious Animal=未確認動物)の映像が取り上げられた。これもまた合成らしき物もあったが“確実に本物である映像”として、沖縄の海岸で発見された正体不明の巨大な肉塊が紹介された。これは沖縄の博物館の学芸員が研究しているが、詳細はまだ分からないという。
 北海道帯広市のお寺にある“髪の毛が伸び続けている”という鬼子母神像も紹介された。この像は日本海中部地震や三宅島の噴火などの天変地異が相次いだ1983年に寺の住職が世の平穏無事を祈願し造立したもので、頭部の毛髪に信者の髪の毛を3割ほど用いた。その髪は入魂式の直後から伸び始め、断髪式を行わなければいけないほどだという。番組では髪の毛を特別に分けていただき、遺伝子解析を行ったが詳細はわからなかった。
 この後、イスラエル出身のリオー・スシャールという超能力者が紹介された。このリオー氏は“人の脳内を読み取る”ことが得意だという。番組では実際にリオー氏が登場し、超能力の実演を行った。様々な実演が行われた後、否定派の早稲田大学名誉教授の大槻義彦氏の携帯の電話番号を当てるというゲームが行われたが、リオー氏は迷いながらも一つの数字以外全部当てた。だが、これが本当に超能力であるかどうかは結論が出なかった。
 続いて、UFOの映像や、UFOの中に入ったと語る人物のインタビューが紹介された。併せて、中国の後泰(4~5世紀)の王嘉(おうか)が編纂した『拾遺記』に「秦の始皇帝が『超人』と呼ばれる宇宙人らしき者と会談した」ということが記されていることなども紹介された。

 番組を通して、視聴者の恐怖感や好奇心を刺激するが、取り上げられたものは真偽不明のものがほとんどだった。説明できないからこそ超常現象と呼ぶのであろうが、ややセンセーショナリズムが先行しているようであった。