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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

新日本風土記「永平寺」

2016/04/01 (Fri) 21:00~22:00 NHKBSプレミアム
キーワード
寺、曹洞宗、永平寺
参考
番組公式
 今から約770年前、道元禅師が越前の山中に開いた禅の修行道場・曹洞宗大本山永平寺。この番組では長く受け継がれてきた修行道場永平寺とその教え、そして修行僧たちの一日に迫る。
 
 福井県に位置する永平寺は深い森に覆われ、冬には氷点下まで下がる。毎年多くの修行僧が訪れる。その修行僧たちは「雲水(うんすい)」と呼ばれ、200人近い雲水たちが「禅」の中に真理を追い求めて修行している。雲水の多くは曹洞宗の寺を継ぐ20代の若者が多い。一人前の禅僧となるため曹洞宗第一道場の永平寺で修行を積んでいる。修行の間は親や友人と連絡をとることも許されていない。
 修行の中心となるのは座禅。只管打座(しかんたざ)*し、迷いや欲望を断ち切る。朝と晩で最低2時間は行い、多いときは9時間を超える。ここでの修行はこれから生きていくための根幹であり、ここで培った生活の仕方や物の見方すべてが修行となっている。
 午前4時半から雲水の一日は始まる。氷点下の僧堂で衣一枚の雲水たち。桶半分の水で洗顔や歯磨きを済ませ、水の一滴も無駄にはしない。これらの作法は道元の教えによるものであり、770年変わることなく大切に受け継がれている。午前8時、毎朝行われる回廊掃除。掃除は動く坐禅と言われ、ただひたすら244段の階段や壁、廊下を拭いていく。
 
 このような修行の中で雲水たちは自分たちの変化に自分自身で気付いている。わずかな人や物の暖かさに大きな感謝が出来るようになった。また変わり続ける自然と対称的にいつもと同じことを繰り返す大切さを学ぶのである。
 
     道は無窮なり 悟りても猶行道すべし           『正法眼蔵随聞記』
 
仏道に終わりはない。悟ってもなお修行である。道元禅師の教えをもとに修行は続く。
 
 
*只管打坐:
余念を交えず、ただひたすら坐禅すること