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趣味Do楽 はじめての四国遍路旅 第1回「“足慣らし”をゆく」

2014/08/05 (Tue) 21:30~21:55 NHKEテレ
キーワード
お遍路、四国八十八ヵ所、空海
参考
番組公式
 「趣味Do楽 はじめての四国遍路旅」では、全8回にわたって四国のお遍路が特集される。第1回目のテーマは「足慣らしをゆく」。番組では、空海とお遍路のつながりや、お遍路を巡る際の必須アイテム、参拝方法などが取り上げられており、これからお遍路に挑戦しようと考えている人に役立つ情報が盛りだくさんであった。本レビューではその一部を紹介してゆく。
 
 はじめに空海とお遍路のつながりについて簡単に振り返ろう。空海はその若かりし頃に四国を修行の場として選んだ。そのときの足跡が現在の四国八十八ヵ所巡拝につながっている。そして、四国八十八ヵ所は、空海がその礎を築いてから今年で1200年を迎える。長い年月を経た今日においても、空海の足跡をたどりたいと願う人は絶えることなく、巡拝道はいつも多くの「お遍路さん」でにぎわっている。
 
 お遍路には1番札所から88番札所まで全部で88の札所がある。しかし、どのようにまわるかは巡拝者の自由である。ちなみに「札所」とはお遍路でめぐる「お寺」のことである。
 お遍路では札所に参拝することを「打つ」という。そして一般に、1番札所から88番札所まで時計回りにまわることを「順打ち」と呼び、その逆に反時計回りでまわるのが「逆打ち」である。また、数回に分けて四国を訪れ、すべての札所を巡る「区切り打ち」などもあり、どの札所からスタートして、どのようにまわってもよいという自由さがお遍路の特徴でもある。
 
 そして、お遍路に挑戦する際にぜひとも持ち歩きたいのが「金剛杖」と「納経帳」である。金剛杖には「同行二人」という文字が記されており、これは巡拝者が「いつも御大師様と一緒である」ことを意味している。また、「納経帳」を持っていれば、参拝した各札所で「参拝しました」というしるしを集めていくことができ、巡拝のモチベーションも上がることだろう。
 
 さらに、四国には「お接待」という独得の習慣がある。地元の方が、お遍路さんを御大師様として手厚くもてなしてくれるのである。この「お接待」には、巡拝者を応援する気持ちとともに、自分の代わりにお参りをしてほしいという想いも込められている。基本的に「お接待」を断らないというのが巡拝する際のマナーとなっているので気を付けよう。
 
 最後に、お遍路について関心のある方は引き続き番組をチェックしていくことを勧めたい。各札所の情報やお遍路の基礎知識などをわかりやすく学んでいけるはずである。また、番組からは公式テキストも出ているので、より詳細に知りたいという方は併せて活用するとよいだろう。
 今年は四国八十八ヵ所霊場開創1200年を記念して、宝物や秘仏である本尊が公開されるなど、各札所でいろいろな特典がある。この機会にお遍路巡りに挑戦してみるのもよいだろう。
 
 
○番組HP
「趣味Do楽 はじめての四国遍路旅」
http://www.nhk.or.jp/kurashi/doraku-tue/
☆再放送、テキストに関する情報も上記。