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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

団塊スタイル「どうする?お墓」

2014/08/01 (Fri) 20:00~20:45 NHKEテレ
キーワード
お墓、両家墓、改葬、永代供養墓
参考
番組公式
 現代社会において、お墓に関する問題は尽きない。番組が1600人以上を対象にアンケートを実施したところ、「墓を守る人がいない」、「墓が遠い」、「寺との関係」、「親族間でのもめごと」など多くの悩みが寄せられたという。今回番組では、このような問題を解決した人々への取材を通して、具体的な解決策が提示されていた。
 
 はじめに、「墓を守る人がいない」という問題について、この問題の解決策とはいったいどのようなものなのか。番組で紹介されていたのが「合同で墓をつくる」という方法である。これまでにも、2つの家で1つのお墓をつくる「両家墓」という考えはあったが、最近では親と子どもを合わせた3つの家が合同でお墓をつくるケースも増えている。
 合同でお墓をつくることに関して、お寺や霊園によってその考え方も異なるが、ここ十数年で人々の墓意識もだいぶ変わってきており、「両家墓」のようなスタイルもだいぶなじみのあるものになってきたという。
 
 次に、「墓が遠くて維持管理が大変」という問題について、親の立場からは、自分が遠くのお墓に入ってしまうと、子どもたちの負担になるのではないかという心配の声があがっていた。そこで番組では「改葬」という解決策が紹介されていた。改葬では、遠くにあるお墓を墓石ごと近くのお寺や霊園に移しかえる。いわゆる、お墓の引っ越しである。費用は200~300万円ほどかかるとされているが、団塊の世代の定年退職がはじまった2007年前後からその件数は増えてきているという。
 
 また、生涯独身の方や子供のいない夫婦はどのようにお墓を考えてゆけばよいのか。その選択肢として紹介されていたのが「永代供養墓」である。永代供養墓は、寺や霊園が家族の代わりにお墓やお骨の管理をしてくれる共同墓地である。はじめに費用を一括しておさめれば、それ以降は管理費などがかからないというケースが多く、お寺や霊園が存在する限り供養も永代にわたっておこなわれる。
 
 このように、今日においては、「新しいお墓」がいろいろなかたちをもって登場している。そしてそれは、わたしたちがお墓を考える際により多くの選択肢を手にしているということでもある。
 いろいろなかたちのお墓の中から、それぞれの状況や事情に応じたベストなお墓を選択すること、そのためにも、番組でも何度も強調されていたが、家族や身近な人たちと自分たちのお墓について「あらためてよく話し合う」ことが大切なのである。