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テレビ番組ガイド・レビュー
日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。
こころの時代~宗教・人生~「鑑真が残したもの」 |
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2014/06/08(Sun) 5:00~6:00 NHKEテレ
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今回番組では、日本における律宗の開祖である鑑真にスポットを当て、現代に受け継がれる鑑真の教えを探る。かつて鑑真は人々の幸せを強く願い、僧侶として、お釈迦様の教えを、伝わっていないところにまで広めることに尽力した。数々の苦難を乗り越え、唐からやってきた鑑真が日本に何をし、何をもたらしたのか、そして、現代の人が鑑真の行いから受け取るメッセージを考える。話し手は、唐招提寺 宗務長の西山明彦氏、聞き手はNHKアナウンサー 杉浦圭子氏の二人。 鑑真和上は梵網経とともに五戒と呼ばれる仏教の倫理道徳、日々を安らかに送るための決まりをただしく日本へもたらすことに情熱を向けていた。五戒とは、不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不妄語戒、不飲酒戒のことだ。現在、唐招提寺では今もこの教えを大切にされており、僧侶だけでなく一般の人々にもこの五戒を広めようとした鑑真の想いが日本の仏教の礎になっていると、西山氏はいう。鑑真が日本に伝えたのは、人が生きていくための基本姿勢であり、それは、人が戒を守ることで他者の幸せを敬い、平和で平等な世界と自らの現世での幸せを実現するという、仏教の根本的な教えでもあった。こうした教えは、当時の絵画や建築にも影響を与え、文化として現代日本人の心の源流をも生んだ。 鑑真が、命を懸けて日本に伝えようとした仏の教え、その根底となっているのは、殺さず、盗まず、嘘をつかないなど、人としてのあるべき姿である。国境、民族を超えて共通し、不変で根本の倫理である戒を持って生きることが、世界の人々が幸せに生きる手段であり、繰り返し戒め続けることが大事であると、西山氏は語る。そして、仏教とは、国境を越えても共通の認識を持つことのできる宗教である、として番組は締めくくられた。 |