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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

世界遺産 時を刻む <終>「インドネシア バリ島 天空への階段 調和」

2013/03/15 (Fri) 22:00~23:00 NHKBSプレミアム
キーワード
棚田、スバック、三つの調和、ヒンドゥー、幸せ
参考
番組公式
 今回の舞台は、南国リゾート地としても知られる、インドネシアのバリ島。2012年に世界遺産に登録された美しい棚田や人々の文化に秘められたバリ・ヒンドゥーにおける調和の教えと幸せを探ります。 
 バリ島では、古くから稲作が盛んに行われており、豊かな実りと人の笑顔に溢れています。そして、自然の地形を活かした棚田を支えているのは、千年以上も前から続く独自の水利システムであるスバック制度。それは、農民たち自身で貴重な水を公平に分け合い、互いの農作業を助け合うものであり、その根底には、バリ・ヒンドゥーにおける「トリ・ヒタ・カラナ」という言葉がありました。これはバリ語で、「幸福に必要な三つの調和」を意味し、神と自然と人の調和を指します。人々は、彩り鮮やかな供え物と祭で神の恵みに感謝し、肥料は余すとこなく活用し、人との和合を大切にするなど、三つの調和の精神を、今もバリの暮らしの至るところで見てとることができます。
 近年、世界遺産登録に伴って観光客が増加し続けており、開発やごみ、乗り物などによる環境悪化が懸念されています。現地の人々は、こうした時代の波を、調和の教えのもとで受け止め、自分の都合だけではなく相手の意見も聞き、共に生きる道を探していかなければならない、と語ります。現在、観光業を営む人たちが植物の栽培と保護をするなど、互いに尊重し協力し合い、自然や人の調和を保つことで、バリの人々は、新たな時代での幸せを築いているのです、として番組は締めくくられます。