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テレビ番組ガイド・レビュー

日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

ろーかる直送便 四国羅針盤「遍路 世界遺産への道」

2014/10/20 (Mon) 15:15~15:41 NHK総合
キーワード
お遍路、世界遺産、課題、守る
参考
番組公式
 四国八十八ヵ所霊場が開かれて1200年とされる今年、四国遍路の世界遺産の登録を目指す取り組みが加速している。番組では、行政や一部の市民の取り組みを取り上げ、世界遺産の暫定リスト登録への道のりと課題、貴重な文化をどう守るかを考える。
 日本の世界文化遺産といえば、京都・清水寺、富士山、最近では富岡製紙工場などがある。世界遺産になることで、文化財の保護や観光客の増加を期待し、四国各県や経済団体などを中心に2006年、四国遍路は世界遺産を目指すと宣言された。登録のためにまず、国の文化財保護法の対象に指定されるものがなくてはいけないが、実際は、昔の形で残っているものが少なく、指定されるにはまだまだ量が足りていない。地域住民の利便性からアスファルトで舗装されてしまったところや老朽化のため新しくされた札所もあるのだ。現在、大学の調査チームが文化財調査に協力したり、世界遺産にむけた住民団体が荒れたお遍路を整備するなど、地道な活動が進んでいる。一方で、国の史跡に登録されることで修繕費用や経営を憂慮する寺もあり、課題は多い。
 そうした膨大な調査の必要性、世界遺産登録数の実質限度や世界遺産委員会の登録規制の動きも考えると、時間はかかる。世界遺産に登録する意味や思想を住民や寺の所有者に説明、同意を得ていくことも必要だ。だが、世界遺産登録以前に、何よりも重要なのは、国の文化財に指定、それを守っていくこと。現在世界遺産に登録された地域の観光目的よりの動きや、それによる観光公害の増加などを考えても、文化的資産をきっちり後世に残し守るという姿勢の追求が基本であり必須であるという。