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日本国内で放送された宗教関連番組のレビューです。

地球ドラマチック「古代エジプト 巨大墳墓の謎」

2012/01/14(土)19:00~19:44 NHK Eテレ
キーワード
古代エジプト、王家の谷、墓、死生観
参考
番組公式
 エジプト中部、ナイル川のほとりにある遺跡都市テーベは古代エジプト中王国時代から新王国時代(BC2100年頃~BC1090年頃)に栄えた都である。このテーベにある王家の谷、第33墓は地下3階分の深さ、22の部屋、数百メートルに渡る回廊や吹き抜けで構成されている。テーベの遺跡群でも有数の大きさだ。番組は、この墓が誰のもので、何故これほど大きなものになったのか、フランスの研究チームが発掘調査をしていく姿と共に考察していく。
 研究チームによると、この墓にはペタメノフィスという人物が埋葬されている。彼は古代エジプト文明が最も栄えたエジプト新王国時代の書記官である。また、彼は宗教儀式に関する学者としての一面も備えており、しばしばファラオへ助言していたと考えられて いる。
 墓の壁には冥界についての記述や聖典だけでなく、「ここに来た者は理解に努めよ」というペタメノフィスのメッセージも刻まれている。 これらの情報から、研究チームは、ペタメノフィスが自身の墓を通して、知識を後世へ残そうとしたのではないかという仮説に辿り着く。ペタメノフィスは聖典が数多く刻まれた墓の地下一階部分を、一般に開放できる図書館とした。その一方で、棺を安置する最深部を縄や梯子がなければ辿り着けない構造にし、墓荒らしから守ろうとした。その二つの目的のために、これだけ巨大で複雑な墓が出来たのだ。